浮気男に逆襲を!


「コラ、俺のカノジョに何してんだよ」



奥からひょこっと顔を出した人物の姿に、思わず頬が緩む。


七分袖のカットソーにジーンズというサラッとした格好だけど、持ち前の輝かしいオーラにより光って見えるほど様になってる美形さん。


1日ぶりに会う、あたしの自慢の彼氏だ。



「俺の客なのにお前が出迎えてどーすんだよ」


「いいじゃん別に~。アタシ、篤斗の彼女さん見てみたかったんだもん」


「それなら後で紹介するって言っただろ」


「楽しみすぎて待ちきれなかったんだって」



あー言えばこー言い、の姿勢を貫く美少女サマに、やれやれとため息をこぼすアッくん先輩。



「ホント、その暴走癖どうにかなんねぇかな」


「むっ。弟のくせに生意気だぞ!」



……ん? 弟?


弟って。それって、つまり──



「アッくん先輩のお姉さん……ですか?」



おずおずと尋ねると、彼女はそのシャープな目をゆるりと細めた。


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