浮気男に逆襲を!
ピクピク痙攣する頬と格闘し、必死に愛想笑いを維持していると──ピロリン♪
いささか間の抜けた電子音が響き、「おろ?」とこれまた間の抜けた声を漏らしつつのお姉様が、ミニスカートのポケットからするりとスマホを取り出した。
そしてまじまじと画面を見つめたかと思うと、花が綻ぶような眩しい笑顔を形作り……
「えへへ~。彼氏から呼び出しくらっちゃったぁ」
という、唐突のリア充発言。
あらまぁお姉様ったら彼氏持ちなの。
なんだろう。ちょっと意外。
「とゆーわけで、アタシ行くね」
ひらひらと手を振りながら、頬を緩ませデレデレ笑って足早に家を出る彼女。
だけど去り際にあたしの肩をポンッと叩いて、
「凛花ちゃん。うちの篤斗をよろしくね」
にっこり極上の笑顔を見せて、真面目なトーンでそう言った。