不良リーダーの懸命なる愛
序章
出会い
春うららかな朝。
今日は高校の入学式である。
式になんかさらさら出る気がない霧島理人は、ダラダラと欠伸をして学校への道を歩いていた。
桜の並木道。
もう学校も見えてきてる。
もちろん式はとっくに始まっている。
その時、理人を追い越す一人の女子高生が……。
駆け足で、髪も乱れていて相当焦っていると見える。
理人がその女子高生の速さに目を奪われていると、数メートル先でチャリン!という音が。女子高生もその音に気づいたらしく、
『あれ?』とか『どこだろ?』と、中腰になって必死に探してる様子。
理人が2歩…3歩…と歩くと、鈴のついている鍵を発見。どうやら家の鍵らしい。
はぁ…とため息をこぼし、拾い上げると、
「おい、アンタ」
とその女子高生に手を突き出し、
「これ。アンタのじゃん?」
と鍵をちらつかせる。
勢いよくその女子高生は振り返り、急いで理人の元へと駆け寄ってくる。
“お。なかなか可愛いじゃん。”
と理人が思って見ていると、その女の子は目を凝らし、理人の持ってる鍵をじーっとみると、
「あ!それ私のです!わざわざありがとうございます!!」
と笑顔で鍵を受け取る。
その笑顔をみて固まってしまった理人をさしおき、『失礼します。』と、ぺこっと頭を下げてまた走り出した女の子。
理人はその走りさる女の子が見えなくなるまで、しばらくその場で動けなくなっていたのでした…。
今日は高校の入学式である。
式になんかさらさら出る気がない霧島理人は、ダラダラと欠伸をして学校への道を歩いていた。
桜の並木道。
もう学校も見えてきてる。
もちろん式はとっくに始まっている。
その時、理人を追い越す一人の女子高生が……。
駆け足で、髪も乱れていて相当焦っていると見える。
理人がその女子高生の速さに目を奪われていると、数メートル先でチャリン!という音が。女子高生もその音に気づいたらしく、
『あれ?』とか『どこだろ?』と、中腰になって必死に探してる様子。
理人が2歩…3歩…と歩くと、鈴のついている鍵を発見。どうやら家の鍵らしい。
はぁ…とため息をこぼし、拾い上げると、
「おい、アンタ」
とその女子高生に手を突き出し、
「これ。アンタのじゃん?」
と鍵をちらつかせる。
勢いよくその女子高生は振り返り、急いで理人の元へと駆け寄ってくる。
“お。なかなか可愛いじゃん。”
と理人が思って見ていると、その女の子は目を凝らし、理人の持ってる鍵をじーっとみると、
「あ!それ私のです!わざわざありがとうございます!!」
と笑顔で鍵を受け取る。
その笑顔をみて固まってしまった理人をさしおき、『失礼します。』と、ぺこっと頭を下げてまた走り出した女の子。
理人はその走りさる女の子が見えなくなるまで、しばらくその場で動けなくなっていたのでした…。
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