不良リーダーの懸命なる愛
並木道
その翌日。
期末テストも気づけば最終日!
長いようで短い時間があっという間に過ぎていく。
でも、今回の試験期間は、
私にとって、ちょっと長かったかな?
だって、この短期間で色んなことがあったから…。
霧島くんと話すことができて友達になれて、
二人で一緒に図書館で勉強して、
抱きしめられて、
恋して、
キスして、
両想いになって……。
でも一時はもう霧島くんと話すこともできなくなるんじゃないかと思って、泣き腫らした事もあったな。
今朝は霧島くんが、私の家の近くでわざわざ私を迎えに来てくれて、
そして初めて彼と一緒に登校した。
学校までの道を私達は手を繋いで歩いた。
霧島くんの手が私の手を包みこむように優しく繋いでくれて、それだけで胸が高鳴った……。
春だったら桜並木の道だけど、いまは葉が茂り、緑のトンネルのようにアーチが出来ていた!
「ココ。入学時は桜咲いてたよな…。」
え……?
霧島くんのふとした言葉に反応した。
「そうですよ!!知ってたんですね!?」
「ん。だって、咲希と初めて出会った場所だからな。この道は…。」
「…っ。」
そ、そっか。
そういえば霧島くん、昨日言ってたっけ!
『俺は入学式の日に、咲希ともう会ってんだよ。』
『可愛かったよ?鍵を俺から受け取りに来たときの咲希。』
そうだよ、この道だ……!!
あの日。
入学式の日に私が遅刻してなかったら、
私が霧島くんの目の前で鍵を落とさなかったら、
私と霧島くんは……
ある意味、こんな風には出会わなかったのかもしれない!
こんな形にはならなかったのかもしれない!
今こうして手を繋げてるのも、あの出来事があればこそ…。
そして、
その時霧島くんが私に一目惚れをしてくれたから、私達はこうしていられるんだよね……?
しみじみとそう思いながら、
手を繋いでる方へ視線を向けた。
そして少しだけ、彼の手をきゅっと握った。
「ん?どした?」
霧島くんが私の顔を覗き込んできた!
「…っ!い、いえ!その………わ、私にとっても、ここは大事な場所なんだなって………改めて自覚しました…!」
やや顔を伏せて、素直な気持ちを彼に伝えてみる。
すると、霧島くんはクスッと笑うと私の頬を指先で軽く撫でてきた!!
ドキッ!
「へ!?あ、あの!!?」
突然の霧島くんの行動に、素っ頓狂な声を出してしまう!!
「頬が桜色になってる。かわい。」
!!!
「も、もう!!素直な感想を言ったのに…!」
「ハハッ。悪い、悪い。でも可愛いと思ったのは事実だし。」
「……っ!」
「お。さらに赤くなったな?」
「~~っもう!意地悪っ!」
「ハハハッ!」
こんなやり取りも久々で。
幸せな朝の時間だった……。
その事を思い出してしまい、クスッと笑いが出てしまう。
「ウォッホン!」
あ!
しまった!!
今はテストの真っ最中だった!!
試験監督の先生に睨まれてしまった…。
そうだよ、集中しなきゃ!
残り5分。
私はラストスパートをかけ、
なんとかテストを無事に終えることができた。
キーンコーンカーンコーン
「ヤッター!!ようやく終わったぁーーー!!!」
と、ちーちゃんが伸びをしてこちらにやって来た。
唯ちゃんもこれから部活なのか、お弁当を持ちながら話しかけてくる。
「長かったよねぇ!やっぱり中間とは違って期末はきつかったよ……。千枝ちゃんと咲希ちゃん、最後の問題わかった?」
「最後の問題、長文でしょう?私けっこう、的外れなこと書いたかも…!」
「え?でも咲希ちゃん、最後の方、なんだか笑ってなかった??」
ハッ!!
まさか、聞こえてた!!?
「あ!なぁ~んだ!あれ咲希だったのか!!あたしてっきり隣の山田かと思ったよ!」
しまった…!
山田君にとんだ迷惑を!
「う、うん。あの……ちょっと……思い出し笑いを。」
あの…。
テストも終わった事だし……。
二人にはもう、
言うべき…………だよね?!!
私と霧島くんが……
おおおお付き合いしてることを!!!
よ、よし!
言おう!!
「あ、あのね!二人に実は、ははは話があっ…」
と、そこへ!!!
「ちょっと!!!二ノ宮さん!!!!」
と、急に教室の入り口から怒声が聞こえてきた!
へ!?
な、なにごと!??
期末テストも気づけば最終日!
長いようで短い時間があっという間に過ぎていく。
でも、今回の試験期間は、
私にとって、ちょっと長かったかな?
だって、この短期間で色んなことがあったから…。
霧島くんと話すことができて友達になれて、
二人で一緒に図書館で勉強して、
抱きしめられて、
恋して、
キスして、
両想いになって……。
でも一時はもう霧島くんと話すこともできなくなるんじゃないかと思って、泣き腫らした事もあったな。
今朝は霧島くんが、私の家の近くでわざわざ私を迎えに来てくれて、
そして初めて彼と一緒に登校した。
学校までの道を私達は手を繋いで歩いた。
霧島くんの手が私の手を包みこむように優しく繋いでくれて、それだけで胸が高鳴った……。
春だったら桜並木の道だけど、いまは葉が茂り、緑のトンネルのようにアーチが出来ていた!
「ココ。入学時は桜咲いてたよな…。」
え……?
霧島くんのふとした言葉に反応した。
「そうですよ!!知ってたんですね!?」
「ん。だって、咲希と初めて出会った場所だからな。この道は…。」
「…っ。」
そ、そっか。
そういえば霧島くん、昨日言ってたっけ!
『俺は入学式の日に、咲希ともう会ってんだよ。』
『可愛かったよ?鍵を俺から受け取りに来たときの咲希。』
そうだよ、この道だ……!!
あの日。
入学式の日に私が遅刻してなかったら、
私が霧島くんの目の前で鍵を落とさなかったら、
私と霧島くんは……
ある意味、こんな風には出会わなかったのかもしれない!
こんな形にはならなかったのかもしれない!
今こうして手を繋げてるのも、あの出来事があればこそ…。
そして、
その時霧島くんが私に一目惚れをしてくれたから、私達はこうしていられるんだよね……?
しみじみとそう思いながら、
手を繋いでる方へ視線を向けた。
そして少しだけ、彼の手をきゅっと握った。
「ん?どした?」
霧島くんが私の顔を覗き込んできた!
「…っ!い、いえ!その………わ、私にとっても、ここは大事な場所なんだなって………改めて自覚しました…!」
やや顔を伏せて、素直な気持ちを彼に伝えてみる。
すると、霧島くんはクスッと笑うと私の頬を指先で軽く撫でてきた!!
ドキッ!
「へ!?あ、あの!!?」
突然の霧島くんの行動に、素っ頓狂な声を出してしまう!!
「頬が桜色になってる。かわい。」
!!!
「も、もう!!素直な感想を言ったのに…!」
「ハハッ。悪い、悪い。でも可愛いと思ったのは事実だし。」
「……っ!」
「お。さらに赤くなったな?」
「~~っもう!意地悪っ!」
「ハハハッ!」
こんなやり取りも久々で。
幸せな朝の時間だった……。
その事を思い出してしまい、クスッと笑いが出てしまう。
「ウォッホン!」
あ!
しまった!!
今はテストの真っ最中だった!!
試験監督の先生に睨まれてしまった…。
そうだよ、集中しなきゃ!
残り5分。
私はラストスパートをかけ、
なんとかテストを無事に終えることができた。
キーンコーンカーンコーン
「ヤッター!!ようやく終わったぁーーー!!!」
と、ちーちゃんが伸びをしてこちらにやって来た。
唯ちゃんもこれから部活なのか、お弁当を持ちながら話しかけてくる。
「長かったよねぇ!やっぱり中間とは違って期末はきつかったよ……。千枝ちゃんと咲希ちゃん、最後の問題わかった?」
「最後の問題、長文でしょう?私けっこう、的外れなこと書いたかも…!」
「え?でも咲希ちゃん、最後の方、なんだか笑ってなかった??」
ハッ!!
まさか、聞こえてた!!?
「あ!なぁ~んだ!あれ咲希だったのか!!あたしてっきり隣の山田かと思ったよ!」
しまった…!
山田君にとんだ迷惑を!
「う、うん。あの……ちょっと……思い出し笑いを。」
あの…。
テストも終わった事だし……。
二人にはもう、
言うべき…………だよね?!!
私と霧島くんが……
おおおお付き合いしてることを!!!
よ、よし!
言おう!!
「あ、あのね!二人に実は、ははは話があっ…」
と、そこへ!!!
「ちょっと!!!二ノ宮さん!!!!」
と、急に教室の入り口から怒声が聞こえてきた!
へ!?
な、なにごと!??