不良リーダーの懸命なる愛
傷跡
その後、
私が霧島くんに運ばれて着いた場所は……。
保健室。
中に入ると誰も居なくて、ガランとした部屋で消毒液の臭いが鼻についた。
あ、そうだった!!
霧島くんの怪我を診なくちゃいけないよね!
でも保健の先生は居ないみたいだし、
私一人で診てあげられるかな!?
内心少し戸惑っていると、
霧島くんが私を静かに床におろして立たせてくれた。
そして後ろにあるベッドを視線で指し示した。
「咲希、そのベッドに腰掛けてて。傷の手当てするから。」
え??
私?!
「霧島くん!私はいいから、まず霧島くんの傷の方を診ないと!」
彼の腕にはネクタイが巻かれているとても簡易的な処置!
このままじゃバイ菌がはいっちゃうよ!!
けれど霧島くんは湿布や包帯など必要なものを黙々と探して用意している。
「霧し…」
「俺は後でいいから、まず咲希の怪我を見てやりたいんだ。だから座って?」
振り返った彼の慈しむような微笑みに、
つい私は押し黙ってしまう。
こうなったら頑として動かないからなぁ、霧島くんって。
私は諦めて、霧島くんに言われた通りにベッドに腰を掛けて彼を待つ。
それにしても……。
霧島くんの後ろ姿を見ると所々に傷跡がある。
手術跡とかかな?
なんだか痛々しい……。
スラっとした体型だけど、逞しい身体つき。
その身体には彼のこれまでの痛い過去が刻まれていた。
「…っ。」
気がつくと、私は霧島くんを後ろから抱きしめていた!
「え!?お、おい!咲希!?どした!??」
「霧島くん……ありがとう。いつも私を守ってくれて。」
「……咲希?」
「私もね、霧島くんを守れるようにもっと強くなります!だから、もう一人で抱え込まないで下さいね?」
「……っ!」
「側にいます。どんな時でも……、私が側に………っ!!」
すると突然、顎を上向きにされて唇が重なった!!
「……ん……っ!」
「…………っ。」
「ンン!!ふっ……はぁ……。」
唇を強引に押しあてられて、
息も継げないキス。
ようやく唇から温かさが離れると、
霧島くんの顔が目の前に!!
「咲希……!」
あ……。
霧島くんのこんな顔、初めてだ。
いつもは余裕たっぷりで大人っぽい霧島くんが、
今はその逆で、余裕ないような必死な顔…!
顔もほのかに赤い……。
「咲希、スゲー嬉しい…!ありがとな。」
絞り出されたような声で霧島くんが私に告げる。
「う、うん!こちらこそ……、あの、いつもありがとう…ございます。」
私もなんだか照れくさくなってきてしまい、
頬が熱で染まるのを感じていた。
「…………。」
すると霧島くんがじぃっと私の顔を見つめてくる。
先ほどの様子とは打って変わって、
なぜか恨めしそうな表情……。
ど、どうしたんどろう?
今度は真剣な顔つき……。
「あ、あの、どうかしました?」
「…………。」
霧島くんはまだじぃっと私を見ている!
な、なんだろう…??
急にどうしちゃったのかな??
…………。
ハッ!!
もしかして!
「き、霧島くん!もしかして、具合悪いんですか?!」
「…っ。」
え!?
こ、今度は顔をしかめた!!
ま、まさかとは思うけど、
なんだか……怒ってる……?!
すると。
ドサッ
「きゃっ……!!」
私が霧島くんに運ばれて着いた場所は……。
保健室。
中に入ると誰も居なくて、ガランとした部屋で消毒液の臭いが鼻についた。
あ、そうだった!!
霧島くんの怪我を診なくちゃいけないよね!
でも保健の先生は居ないみたいだし、
私一人で診てあげられるかな!?
内心少し戸惑っていると、
霧島くんが私を静かに床におろして立たせてくれた。
そして後ろにあるベッドを視線で指し示した。
「咲希、そのベッドに腰掛けてて。傷の手当てするから。」
え??
私?!
「霧島くん!私はいいから、まず霧島くんの傷の方を診ないと!」
彼の腕にはネクタイが巻かれているとても簡易的な処置!
このままじゃバイ菌がはいっちゃうよ!!
けれど霧島くんは湿布や包帯など必要なものを黙々と探して用意している。
「霧し…」
「俺は後でいいから、まず咲希の怪我を見てやりたいんだ。だから座って?」
振り返った彼の慈しむような微笑みに、
つい私は押し黙ってしまう。
こうなったら頑として動かないからなぁ、霧島くんって。
私は諦めて、霧島くんに言われた通りにベッドに腰を掛けて彼を待つ。
それにしても……。
霧島くんの後ろ姿を見ると所々に傷跡がある。
手術跡とかかな?
なんだか痛々しい……。
スラっとした体型だけど、逞しい身体つき。
その身体には彼のこれまでの痛い過去が刻まれていた。
「…っ。」
気がつくと、私は霧島くんを後ろから抱きしめていた!
「え!?お、おい!咲希!?どした!??」
「霧島くん……ありがとう。いつも私を守ってくれて。」
「……咲希?」
「私もね、霧島くんを守れるようにもっと強くなります!だから、もう一人で抱え込まないで下さいね?」
「……っ!」
「側にいます。どんな時でも……、私が側に………っ!!」
すると突然、顎を上向きにされて唇が重なった!!
「……ん……っ!」
「…………っ。」
「ンン!!ふっ……はぁ……。」
唇を強引に押しあてられて、
息も継げないキス。
ようやく唇から温かさが離れると、
霧島くんの顔が目の前に!!
「咲希……!」
あ……。
霧島くんのこんな顔、初めてだ。
いつもは余裕たっぷりで大人っぽい霧島くんが、
今はその逆で、余裕ないような必死な顔…!
顔もほのかに赤い……。
「咲希、スゲー嬉しい…!ありがとな。」
絞り出されたような声で霧島くんが私に告げる。
「う、うん!こちらこそ……、あの、いつもありがとう…ございます。」
私もなんだか照れくさくなってきてしまい、
頬が熱で染まるのを感じていた。
「…………。」
すると霧島くんがじぃっと私の顔を見つめてくる。
先ほどの様子とは打って変わって、
なぜか恨めしそうな表情……。
ど、どうしたんどろう?
今度は真剣な顔つき……。
「あ、あの、どうかしました?」
「…………。」
霧島くんはまだじぃっと私を見ている!
な、なんだろう…??
急にどうしちゃったのかな??
…………。
ハッ!!
もしかして!
「き、霧島くん!もしかして、具合悪いんですか?!」
「…っ。」
え!?
こ、今度は顔をしかめた!!
ま、まさかとは思うけど、
なんだか……怒ってる……?!
すると。
ドサッ
「きゃっ……!!」