不良リーダーの懸命なる愛
「はぁー……。拾ったはいいけど、このタバコ……まずいな。」

俺は一人、夜の公園にいた。

でっけぇタコの形をした遊具があって、まぁ見晴らしは悪くない。

中に入ると雨風しのげるし、適度にあったけぇーし。

当時の俺にとっては絶好の場所だった。


にしても、腹減るな…。

年齢を偽ってBARのバイトしてたけど、たいした金にはなんねぇーし。

この時の俺は後先考えずに全部遊びに使ってた。

“今が良ければそれでいい。”

それが俺の考え。
当時の俺の生き方だ。

「やりたくはねぇけど、カモ見つけて一晩泊まるか。」

カモとは、その辺にいる女のことだ。

このところ成長期に入った俺は女には不自由してなかった。

「行きずりが一番楽だからなぁ~。それでいくかっ!」
と、体を起こす。


すると。

「オイ、おっさん!金貸してくれや。」


ん?なんだ?
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