不良リーダーの懸命なる愛
「ヤメロッ!!!!!」


俺は無意識にそう叫んでいた。


「やめとけよ。そんなオッサン、たいした金なんて持ってねぇだろ。やめといた方がいいぜ。」

なんで俺、仲介人になってんダ??


「チッ!……行くぞ。」

その一言を残して、三人は何処かへ行った。

「……君、高校生かい?ありがとう。危ないところだったよ。」
と、そのオッサンは笑って言う。

危ないところ…?

「嘘つけ。そんな風には見えなかったし。……オッサン何者なんだ?あの身のこなしは只者じゃねぇ…!」

俺は睨みをきかせた。

「何者って、ただのどこにでもいるサラリーマンだよ。フットワークがいいだけでね。あはは。」

見た目は優男(やさお)。スラリとした体格。

でも俺は気付いた!

アイツの眼は普通じゃない、とんでもねぇものを秘めてた眼だ!


コイツは確実に強いっ!!


あのヤンキー達をコイツが本気出せば、1分もしないでケリがつくだろう。

あの眼を俺は見逃さなかった!


「…………。」

「そんな目で睨むなよ。冗談言って悪かった。」
とオッサンがニッコリ笑う。

「……………冗談?」

「君、中学生だろう?大人っぽく見えるけどね。」

「っ!!?」

「早く帰りなさい。もう夜も遅い。」

「…………アンタ、俺が止めなかったらアノ三人、どうしてた?」
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