不良リーダーの懸命なる愛

恩人と指針

その翌日、俺はまたあの公園のタコの遊具に寝そべっていた。


今日はやけに寒い。


風があるせいか?

くそっ。眠れやしねぇ。

すると公園をつっきる人影が。


あれは……昨日のオッサン?


「オイ!そこの、こしあん野郎!」

気がつくと俺はそう言って、オッサンに声をかけていた!!

「あれ?君は……昨日の。」

オッサンは俺が話しかけるのが意外だったのか、
少し驚いていた。


「あのよ、昨日のパン。……まずかった。」

「え?期限切れてたかな?それは悪かった。すまないな。」


………ウソだって気づけよ。


この時の俺は素直に礼なんて言えなかった。

だからこんな言葉になっちまったんだ。


「今日も帰らないのかい?」

「まぁな。べつに帰りたいとも思わねぇし!」

「…………。」

「……な、なんだよ?!」

「じゃあ、少し。私と話でもしないか?」

「は!?」

「どうせ言っても帰らないだろ。今日は少し時間があるんだ。どうだい?」

「ハッ!誰がてめぇみてぇなオッサンなんかと!」

「私もね、昔はだいぶスレてたんだ。」


聞いてねえよ……。
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