不良リーダーの懸命なる愛
優しさ
ピシャーーーン!!!
私が教室のドアを勢いよく開けたせいで、クラスにいた全員が一斉にこっちを向いた!
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。…つ…疲れた………。」
一階の購買から三階の教室までをノンストップで走ってきたせいで、息も絶え絶えになってしまった……。
すると、真っ先にちーちゃんが怪訝そうな顔で私の側に来てくれた。
「ちょっと咲希、どうしたの?!顔が真っ青だよ!!」
「ぜぇ、ぜぇ。ちょ……ちょっと色々あって…ごほっ。」
「と、とにかく飲み物でも飲んで、落ち着こう!ね?」
そうしてちーちゃんに促されて、椅子に座って一息つくことに。
「で、少しは落ち着いた?」
ちーちゃんが心配そうに顔色をうかがってくる。
「うん、もう平気だよ!ごめんね、心配かけて。」
と、飲みかけのお茶を手にしたまま、はぁーと深い息をつく。
すると、ちーちゃんが少し黙り込んで、それから神妙な面持ちで私に言った。
「ねぇ、咲希。もしかしてさ、さっき一人でいた時に、上級生とか……ヤンキーに絡まれたんじゃない?」
「え!?どうしてそれを!?」
ちーちゃん、もしかして私があの集団に絡まれてた現場を見てたのかな!?
いやいや、それはないよね。
「やっぱりそうだったか……。」
と、ちーちゃんが呟いて何やら一人で納得している。
「もう~!!こんなことになるなら咲希が教室を出ていこうとする時、ちゃんと引き留めて忠告しておくんだったー!」
そしていきなり悶えだしてしまった……!
どうしちゃったんだろ、ちーちゃん!?
と、とにかく冷静にさせないと!
「ち、ちーちゃん?あの…絡まれたといっても、べつに怪我したわけじゃないし、全然大丈夫だよ?確かにちょっとびっくりしたけどさ!」
「全然大丈夫じゃないよ!咲希は無防備すぎなんだって!」
「え?無防備……??」
「そう!咲希はさ、目立つんだからもうちょっと自覚して行動しないと!咲希は美人なんだから!」
びじん…?
美人!?
って、そういえばあの准平って人もさっき、そんなこと言ってた様な……?!
でも、あれって完全にからかわれてたよね。
あれはかなり恥ずかしかったな…!
「私、全然美人じゃないよ!そんな風に言ってくれるの、ちーちゃんくらいだよ?でも、嬉しい。ありがとう。」
ちーちゃんの気遣いが嬉しくて、それまでの緊張が緩んだせいもあって、顔の強張りがとけて頬が弛んだ。
「はぁ~。その無自覚が長所でもあり、短所でもあるんだけど……………って!!咲希!そういえば購買のパンは!??買ってきたんじゃなかったの!?」
え?
……………、
……………え!!!
ウソ!!!!
無い!??
「あれ!??私、何処に置いたんだろっ!?」
「なんで!?なんで持ってないの!!?」
二人で必死になって周りを探してたその時、
教室のドアから声がとんできた!
「すみませぇーーん!鳴瀬咲希さんっていますか~?」
………え?私??
面識がない一年の女の子二人がなぜか私を呼んでいた!
何だろう?
疑問を抱きつつ、呼ばれたのでその女の子たちの元へ行くと、
「ハイ!鳴瀬さんに渡してほしいってさ!忘れ物みたいよ?」
そう言って小さいビニール袋を手渡してくれた!
中身は購買で買ったパンが入ってる!!
あ!!
私が買ったパンだ!
良かった!!嬉しい!!
「ありがとう!!!わざわざ拾って届けてくれて!!」
思わず両手でパンの袋を抱きしめてしまった。
するとその袋を手渡してくれた女の子が慌てて、
「あ、違うの!拾ったのはアタシじゃなくて、霧し」
「ちょっと!!!言っちゃダメだって、ウチら口止めされたでしょ!?」
と、言いかけた言葉を隣の女の子に遮られてしまい、何やら小声でその子に訴えられていた。
「そうだった!!あぶな~~。でもさ、あんな近くで話せたなんて、超ラッキーじゃない!?」
「ねーー!!めちゃめちゃカッコ良かったあぁ!!!また用事、頼まれたいし!!」
そうしてその二人は歩いて行ってしまった……。
拾ったのがあの二人じゃないってことは、いったい誰が拾ってくれたんだろう?
ちゃんとその人にお礼、言いたいな。
その後、無事私は昼食をとれたけど、なんだか腑に落ちなかった。
でも食べたパンは、なんだか優しい味がした…。
私が教室のドアを勢いよく開けたせいで、クラスにいた全員が一斉にこっちを向いた!
「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。…つ…疲れた………。」
一階の購買から三階の教室までをノンストップで走ってきたせいで、息も絶え絶えになってしまった……。
すると、真っ先にちーちゃんが怪訝そうな顔で私の側に来てくれた。
「ちょっと咲希、どうしたの?!顔が真っ青だよ!!」
「ぜぇ、ぜぇ。ちょ……ちょっと色々あって…ごほっ。」
「と、とにかく飲み物でも飲んで、落ち着こう!ね?」
そうしてちーちゃんに促されて、椅子に座って一息つくことに。
「で、少しは落ち着いた?」
ちーちゃんが心配そうに顔色をうかがってくる。
「うん、もう平気だよ!ごめんね、心配かけて。」
と、飲みかけのお茶を手にしたまま、はぁーと深い息をつく。
すると、ちーちゃんが少し黙り込んで、それから神妙な面持ちで私に言った。
「ねぇ、咲希。もしかしてさ、さっき一人でいた時に、上級生とか……ヤンキーに絡まれたんじゃない?」
「え!?どうしてそれを!?」
ちーちゃん、もしかして私があの集団に絡まれてた現場を見てたのかな!?
いやいや、それはないよね。
「やっぱりそうだったか……。」
と、ちーちゃんが呟いて何やら一人で納得している。
「もう~!!こんなことになるなら咲希が教室を出ていこうとする時、ちゃんと引き留めて忠告しておくんだったー!」
そしていきなり悶えだしてしまった……!
どうしちゃったんだろ、ちーちゃん!?
と、とにかく冷静にさせないと!
「ち、ちーちゃん?あの…絡まれたといっても、べつに怪我したわけじゃないし、全然大丈夫だよ?確かにちょっとびっくりしたけどさ!」
「全然大丈夫じゃないよ!咲希は無防備すぎなんだって!」
「え?無防備……??」
「そう!咲希はさ、目立つんだからもうちょっと自覚して行動しないと!咲希は美人なんだから!」
びじん…?
美人!?
って、そういえばあの准平って人もさっき、そんなこと言ってた様な……?!
でも、あれって完全にからかわれてたよね。
あれはかなり恥ずかしかったな…!
「私、全然美人じゃないよ!そんな風に言ってくれるの、ちーちゃんくらいだよ?でも、嬉しい。ありがとう。」
ちーちゃんの気遣いが嬉しくて、それまでの緊張が緩んだせいもあって、顔の強張りがとけて頬が弛んだ。
「はぁ~。その無自覚が長所でもあり、短所でもあるんだけど……………って!!咲希!そういえば購買のパンは!??買ってきたんじゃなかったの!?」
え?
……………、
……………え!!!
ウソ!!!!
無い!??
「あれ!??私、何処に置いたんだろっ!?」
「なんで!?なんで持ってないの!!?」
二人で必死になって周りを探してたその時、
教室のドアから声がとんできた!
「すみませぇーーん!鳴瀬咲希さんっていますか~?」
………え?私??
面識がない一年の女の子二人がなぜか私を呼んでいた!
何だろう?
疑問を抱きつつ、呼ばれたのでその女の子たちの元へ行くと、
「ハイ!鳴瀬さんに渡してほしいってさ!忘れ物みたいよ?」
そう言って小さいビニール袋を手渡してくれた!
中身は購買で買ったパンが入ってる!!
あ!!
私が買ったパンだ!
良かった!!嬉しい!!
「ありがとう!!!わざわざ拾って届けてくれて!!」
思わず両手でパンの袋を抱きしめてしまった。
するとその袋を手渡してくれた女の子が慌てて、
「あ、違うの!拾ったのはアタシじゃなくて、霧し」
「ちょっと!!!言っちゃダメだって、ウチら口止めされたでしょ!?」
と、言いかけた言葉を隣の女の子に遮られてしまい、何やら小声でその子に訴えられていた。
「そうだった!!あぶな~~。でもさ、あんな近くで話せたなんて、超ラッキーじゃない!?」
「ねーー!!めちゃめちゃカッコ良かったあぁ!!!また用事、頼まれたいし!!」
そうしてその二人は歩いて行ってしまった……。
拾ったのがあの二人じゃないってことは、いったい誰が拾ってくれたんだろう?
ちゃんとその人にお礼、言いたいな。
その後、無事私は昼食をとれたけど、なんだか腑に落ちなかった。
でも食べたパンは、なんだか優しい味がした…。