不良リーダーの懸命なる愛
赤面
「次は分詞構文だな。注意しなきゃいけねえ点が3つある。1つは “主語の有無” 。2つは“同時か、前時か”。3つは “能動態か受動態か”。……で、まず2つ目の同時と前時の違いについて説明するな?」
「3つの注意点………っと。ハイ!お願いします!」
「ん。この二つには種類があんだ。わかりやすく図にして説明すると、主節の…………」
勉強会は順調に進んでいて、私は気づけば夢中で霧島くんの説明を聞いてはメモをし、問題を解いていた。
ただし。
「……てことなんだが、そこでだ。さっそく問題だすぜ?」
「え?!もう…ですか?!!」
「こういうのは問題をこなしてナンボだから。ちょくちょく出題すっから油断すんなよ?」
霧島くんがこっちを向いて悪戯っぽく目を細めた。
わゎ!油断してたっ!
そう。霧島くんは思っていたよりもスパルタだった……。
「じゃ~まずはココ。」
「えっと、これは……。」
“う~~ん” と考えていると……。
「…あ。もし間違えたら罰ゲームが待ってるから。頑張れよ、咲希!」
「えっ!!?そ、そんな!!」
ば、罰ゲームって何?!!
そんなこと言われると余計焦っちゃうよ!!
せっせと解答していくけど、
霧島くんはそんな私を横から見つめ続けて楽しそうに微笑んでいる!
「……………。」
「確かこれは~、」
「……………。」
「それで、ここは…、」
「……………。」
「……なので…………、」
「………………………。」
ちょっ!
そんなに見られてるとプレッシャーが!!
私はどうにもこの情況が耐えられなくなってしまい、
思い切って霧島くんに告げてみることに。
「き、霧島くん。あの……正面を向いて頂けると………有難いのですが…………。見られてると……ちょっと……落ち着かなくて……。」
恥ずかしくて思わず顔を伏せてしまった私。
ペンも止まってしまい、解答ができなくなってしまった…。
そんな私を見て何かを感じたのか、
「あ……そうか……悪い…!」
と遠慮がちに私から距離をとり、霧島くんから徐々に笑顔が消えていく…。
「なんか咲希に無理させちまってたみたいで……気がつかなくてごめんな?嫌だったろ?」
…………え!!?
いや、そういう意味じゃないのにっ!!!
「その、俺さ。俺の隣に咲希が居ること自体、普通にありえねぇ事だから……なんか一人で舞い上がっちまってたかも。調子こいてホント悪かった…!」
そう言って霧島くんは体勢をかえて、正面に視線を戻すとまた参考書に目を通してしまった…。
ど、どうしようっ!!
なんだか悪い意味にとられちゃったみたい!!
その時、ある言葉が浮かんだ。
『大丈夫だよ、理人は。』
あ……。
そうだった!
ヤスさんがアドバイスをくれたんだった!
思ったことは怖がらず、素直に何でも言ったほうが良い!って……。
その言葉に背中をおされて、私は体の向きを霧島くんの方へ向けた!
「あ、あの、霧島くんっ!」
「ん…?問題解けたか?ゆっくりでいいから、咲希のペースでやってみ?」
「いえ、そうではなくて!さっきの…ことなんですけど、」
「さっき…?あぁ~、心配すんな!咲希の嫌がることはしないから、安心しろって。な?」
そしてニコッと言葉では言い表せないくらい、温かい笑顔を私に向けてくれた!!
霧島くん……。
そんなんじゃないんだよ?
ドキドキと鼓動がまた脈を打ってくる……。
でも彼の温かさが、
優しさが、
私の言いかけた言葉の先を紡いでくれた。
「あの、違うんです!さっきのは…べつに霧島くんに見られるのが嫌なわけじゃなくって……!ただ、恥ずかしいっていうだけで……。それに私も今日……霧島くんと会えるのを楽しみにしてたし、霧島くんに勉強をみてもらえて本当に嬉しいんです!だから……楽しみだったから…もっと色々とお喋りも…したいですし………。もっと霧島くんのこと、しし知りたいな……って!でも、その、あまり見つめられると………き…きき緊張してっ…………!」
カアアァァッと顔に熱がたまり、
今にも顔から火がでそう!!!
な、なんて恥ずかしいことを私は言ってるんだろう?!!
こんなの、霧島くんドン引きだよっっ!!!
友達解消とか言われちゃうかも?!
もっと伝えたい事があるのに、次の言葉がなかなか出てこない!
言葉が喉につっかえている感じで、今の私にはこれが精一杯だった!!
俯いているから霧島くんの表情も反応も私にはわからない!
穴があったら入りたいよ……!
その時。
私の髪にふわりと温かいものが触れ、横髪を耳にかけてくれる。
え…………??
それが霧島くんの指先だと気づいた時には、
霧島くんが私の顔を覗きこんでいた!!
「っ!!」
間近で視線が合ってしまい、息をのむ…!
な、なに?!
なんなの??!
訳がわからずにいると、彼が熱のこもった視線で私を見つめてきた!!
「顔、まっか。」
!!!!
「そ、そそそんなことは……!!」
クスッと笑った霧島くんはどこか艶っぽいような……それでいて魅力的で……………って!!
ちょ、ちょっと待って!!
手!!
この手っ!!
私の耳に触れてるこの霧島くんの手をなんとかしたいのですが!?
「咲希。こっち向いて…。」
ひぇっ!!
霧島くんの顔が徐々に近付いてくる…!?
どどどうしたらいいの!!?
こういう場合は!!
というか、何でこうなっちゃったの!??
誰か!!
この対処法を教えてよーーー!!!
せっかく霧島くんから学んだ英語の知識が頭から吹っ飛んでしまい、
私の頭の中は真っ白になってしまった……。
「3つの注意点………っと。ハイ!お願いします!」
「ん。この二つには種類があんだ。わかりやすく図にして説明すると、主節の…………」
勉強会は順調に進んでいて、私は気づけば夢中で霧島くんの説明を聞いてはメモをし、問題を解いていた。
ただし。
「……てことなんだが、そこでだ。さっそく問題だすぜ?」
「え?!もう…ですか?!!」
「こういうのは問題をこなしてナンボだから。ちょくちょく出題すっから油断すんなよ?」
霧島くんがこっちを向いて悪戯っぽく目を細めた。
わゎ!油断してたっ!
そう。霧島くんは思っていたよりもスパルタだった……。
「じゃ~まずはココ。」
「えっと、これは……。」
“う~~ん” と考えていると……。
「…あ。もし間違えたら罰ゲームが待ってるから。頑張れよ、咲希!」
「えっ!!?そ、そんな!!」
ば、罰ゲームって何?!!
そんなこと言われると余計焦っちゃうよ!!
せっせと解答していくけど、
霧島くんはそんな私を横から見つめ続けて楽しそうに微笑んでいる!
「……………。」
「確かこれは~、」
「……………。」
「それで、ここは…、」
「……………。」
「……なので…………、」
「………………………。」
ちょっ!
そんなに見られてるとプレッシャーが!!
私はどうにもこの情況が耐えられなくなってしまい、
思い切って霧島くんに告げてみることに。
「き、霧島くん。あの……正面を向いて頂けると………有難いのですが…………。見られてると……ちょっと……落ち着かなくて……。」
恥ずかしくて思わず顔を伏せてしまった私。
ペンも止まってしまい、解答ができなくなってしまった…。
そんな私を見て何かを感じたのか、
「あ……そうか……悪い…!」
と遠慮がちに私から距離をとり、霧島くんから徐々に笑顔が消えていく…。
「なんか咲希に無理させちまってたみたいで……気がつかなくてごめんな?嫌だったろ?」
…………え!!?
いや、そういう意味じゃないのにっ!!!
「その、俺さ。俺の隣に咲希が居ること自体、普通にありえねぇ事だから……なんか一人で舞い上がっちまってたかも。調子こいてホント悪かった…!」
そう言って霧島くんは体勢をかえて、正面に視線を戻すとまた参考書に目を通してしまった…。
ど、どうしようっ!!
なんだか悪い意味にとられちゃったみたい!!
その時、ある言葉が浮かんだ。
『大丈夫だよ、理人は。』
あ……。
そうだった!
ヤスさんがアドバイスをくれたんだった!
思ったことは怖がらず、素直に何でも言ったほうが良い!って……。
その言葉に背中をおされて、私は体の向きを霧島くんの方へ向けた!
「あ、あの、霧島くんっ!」
「ん…?問題解けたか?ゆっくりでいいから、咲希のペースでやってみ?」
「いえ、そうではなくて!さっきの…ことなんですけど、」
「さっき…?あぁ~、心配すんな!咲希の嫌がることはしないから、安心しろって。な?」
そしてニコッと言葉では言い表せないくらい、温かい笑顔を私に向けてくれた!!
霧島くん……。
そんなんじゃないんだよ?
ドキドキと鼓動がまた脈を打ってくる……。
でも彼の温かさが、
優しさが、
私の言いかけた言葉の先を紡いでくれた。
「あの、違うんです!さっきのは…べつに霧島くんに見られるのが嫌なわけじゃなくって……!ただ、恥ずかしいっていうだけで……。それに私も今日……霧島くんと会えるのを楽しみにしてたし、霧島くんに勉強をみてもらえて本当に嬉しいんです!だから……楽しみだったから…もっと色々とお喋りも…したいですし………。もっと霧島くんのこと、しし知りたいな……って!でも、その、あまり見つめられると………き…きき緊張してっ…………!」
カアアァァッと顔に熱がたまり、
今にも顔から火がでそう!!!
な、なんて恥ずかしいことを私は言ってるんだろう?!!
こんなの、霧島くんドン引きだよっっ!!!
友達解消とか言われちゃうかも?!
もっと伝えたい事があるのに、次の言葉がなかなか出てこない!
言葉が喉につっかえている感じで、今の私にはこれが精一杯だった!!
俯いているから霧島くんの表情も反応も私にはわからない!
穴があったら入りたいよ……!
その時。
私の髪にふわりと温かいものが触れ、横髪を耳にかけてくれる。
え…………??
それが霧島くんの指先だと気づいた時には、
霧島くんが私の顔を覗きこんでいた!!
「っ!!」
間近で視線が合ってしまい、息をのむ…!
な、なに?!
なんなの??!
訳がわからずにいると、彼が熱のこもった視線で私を見つめてきた!!
「顔、まっか。」
!!!!
「そ、そそそんなことは……!!」
クスッと笑った霧島くんはどこか艶っぽいような……それでいて魅力的で……………って!!
ちょ、ちょっと待って!!
手!!
この手っ!!
私の耳に触れてるこの霧島くんの手をなんとかしたいのですが!?
「咲希。こっち向いて…。」
ひぇっ!!
霧島くんの顔が徐々に近付いてくる…!?
どどどうしたらいいの!!?
こういう場合は!!
というか、何でこうなっちゃったの!??
誰か!!
この対処法を教えてよーーー!!!
せっかく霧島くんから学んだ英語の知識が頭から吹っ飛んでしまい、
私の頭の中は真っ白になってしまった……。