不良リーダーの懸命なる愛
無自覚
「あの……もう……放して…」
「ダメ。本当のこと言うまで放してやんない。」
そそそんなのってないよおおぉーーー!!!
私はまたもや霧島くんに拘束されてしまい、心の中で絶叫するしかなかった……!
「う~……、い、意地悪だよ……!」
それが私の精一杯の抵抗……。
恥ずかしくて目も開けてられない!!
でも…………
これって答えないと放してくれないんだよね!?
私は意を決して霧島くんにぶつけてみた!
「……で、できれば、違う仕事をお薦めします!!」
キュッと目をつぶって、霧島くんの反応を待つ!
しばらくするとクスクスと笑い声が……。
え………?
霧島くんが急に私から離れていくと…。
「ダメだ、もう~無理!咲希めっちゃ可愛すぎッ!!俺がもたねぇっ!」
アハハハハッ
!!!
か、彼に、
いったい、
何が、
起きたのだろうか!??
目をパチクリとさせて霧島くんを見ていると、
「どう考えたって俺がオンナ相手に笑顔振りまく仕事なんて無理ダロ!」
と、なぜか爆笑している。
「あの?霧島くん?いきなりどうしたんですか?!」
急に笑い出してしまった彼の事が心配になってしまい、様子を伺っていると……。
「…冗談だよ、ホストなんて。クククッ。」
んなっ!!!
じょ、冗談!!??
「~~っもう!!なによぉ!!!霧島くんのバカァーーッ!!!霧島くんのキス魔ぁーーーー!!!」
またからかって!!!
霧島くんのバカ!嘘つき!
もう謝ってきても知らないんだから!!!
そんな霧島くんはまだ笑っている。
なによ…!
本気にして損した!
本当にホストやってると思っちゃったじゃないの!!
ほんとに、…………冗談なんて思えなかったよ。
だって霧島くんって、本当にカッコイイと思うから……。
今日霧島くんと一緒に過ごして、彼の魅力をイヤというほど知ってしまった私は、女の子達が夢中になるのも無理ないなと感じてしまったから。
“可愛い” って言ったのも、きっと冗談なんだ……。
きっと…。
虚しい気持ちになりつつある私を、
霧島くんは少し申し訳なさそうな顔で覗きこんできた!
「悪い、悪い!本当はただのカフェ店員。ていうかバリスタの超見習いって感じかな。…ホッとした?」
ムゥッ!!
「そ、そんなの、信じないから!!」
ツーンと私は霧島くんにそっぽを向く!
「本当だって。駅の西口に “コピ・ルアック” っていうカフェで働いてるから。だから会いたくなったらいつでもおいで?サービスするから。な?」
うっ…。
だ、だからその声がずるいんだってば!
もう…。
怒る気力が無くなってきちゃったよ……。
むくれてる自分がなんだか小さい人間に思えてきてしまった。
「悪かったよ、咲希。ただ咲希の反応見てたら止まらなくなっちまって!でも咲希の可愛い本音も聞けたから結果オーライだな。」
え!!ま、まさか!!
「あの!た、確かに勢いで、 “バカでキス魔” って言ってしまいましたが、その…売り言葉に買い言葉っていうか……、決して本心ではなくて、」
「あぁ、そっちか。まぁアレは正直当たってるよな。否めねぇ。」
え!!!認めちゃうの!?
「咲希限定だから仕方ねぇよな、それを言われても。」
ん??
私……限定!??
私限定でバカになるの!??
いやいや、成績優秀なのに!霧島くん…。
でもキス魔になっちゃうのはちょっと問題よね…。
確かにからかい甲斐があるって昔から言われてるけどさ。
私だって一応女性だから、そこはもう少し考慮してほしいな……。
それにキスなんて慣れてないし。欧米人じゃないんだからさ、私。
とほほ。
「……なんかいま、考え方脱線してんだろ?」
霧島くんが少し呆れ顔で見ていた。
脱線??
「…まあいいや、それは保留で。俺が言ったのは、咲希が “違う仕事にしてほしい” って言ったやつ。」
あ!
そ、それか!
「ホストは辞めてほしいって思ってくれたんだろ?なんか嬉しかった…。」
霧島くんが顔を綻ばせ、また側に立って、私に腕をまわしてきた。
ひゃあ!
「ああああの!そそそれは、べつに、深い意味はなくてですね!!みみみ未成年が、やはり、ホストクラブで働くのは、」
「ふーん。でもそんなウソ、俺には通用しねぇから。」
うー……。
なんかどうやっても霧島くんには勝てない、そんな気がした。
悔しいな…。
「さてと。じゃあそろそろ帰るかな。咲希と別れんのは名残惜しいけど。」
あ……。
帰っちゃうんだ…。
そっか。
そうだよね。
遅くなっちゃうもんね!
「そうですね…。私も名残惜しいし、もっと霧島くんと一緒にいたかったです。でも、また学校で会えますもんね!今日は本当にありがとうございました!とっても楽しかったです。気をつけて帰って下さいね?」
「……っ!!」
ん?
どうしたんだろ??
急に霧島くんの顔が赤く染まっていく……。
それは暗くてもわかるくらいの赤さに。
「…………無自覚って罪だよな。」
「え?今なんて??」
何て言ったのか聞こえなかったよ!
「……ナイショ。」
なんで!!
そんなこんなで霧島くんと始まった変な戦いは、
私の完全なる完敗で終わったのだった。
「ダメ。本当のこと言うまで放してやんない。」
そそそんなのってないよおおぉーーー!!!
私はまたもや霧島くんに拘束されてしまい、心の中で絶叫するしかなかった……!
「う~……、い、意地悪だよ……!」
それが私の精一杯の抵抗……。
恥ずかしくて目も開けてられない!!
でも…………
これって答えないと放してくれないんだよね!?
私は意を決して霧島くんにぶつけてみた!
「……で、できれば、違う仕事をお薦めします!!」
キュッと目をつぶって、霧島くんの反応を待つ!
しばらくするとクスクスと笑い声が……。
え………?
霧島くんが急に私から離れていくと…。
「ダメだ、もう~無理!咲希めっちゃ可愛すぎッ!!俺がもたねぇっ!」
アハハハハッ
!!!
か、彼に、
いったい、
何が、
起きたのだろうか!??
目をパチクリとさせて霧島くんを見ていると、
「どう考えたって俺がオンナ相手に笑顔振りまく仕事なんて無理ダロ!」
と、なぜか爆笑している。
「あの?霧島くん?いきなりどうしたんですか?!」
急に笑い出してしまった彼の事が心配になってしまい、様子を伺っていると……。
「…冗談だよ、ホストなんて。クククッ。」
んなっ!!!
じょ、冗談!!??
「~~っもう!!なによぉ!!!霧島くんのバカァーーッ!!!霧島くんのキス魔ぁーーーー!!!」
またからかって!!!
霧島くんのバカ!嘘つき!
もう謝ってきても知らないんだから!!!
そんな霧島くんはまだ笑っている。
なによ…!
本気にして損した!
本当にホストやってると思っちゃったじゃないの!!
ほんとに、…………冗談なんて思えなかったよ。
だって霧島くんって、本当にカッコイイと思うから……。
今日霧島くんと一緒に過ごして、彼の魅力をイヤというほど知ってしまった私は、女の子達が夢中になるのも無理ないなと感じてしまったから。
“可愛い” って言ったのも、きっと冗談なんだ……。
きっと…。
虚しい気持ちになりつつある私を、
霧島くんは少し申し訳なさそうな顔で覗きこんできた!
「悪い、悪い!本当はただのカフェ店員。ていうかバリスタの超見習いって感じかな。…ホッとした?」
ムゥッ!!
「そ、そんなの、信じないから!!」
ツーンと私は霧島くんにそっぽを向く!
「本当だって。駅の西口に “コピ・ルアック” っていうカフェで働いてるから。だから会いたくなったらいつでもおいで?サービスするから。な?」
うっ…。
だ、だからその声がずるいんだってば!
もう…。
怒る気力が無くなってきちゃったよ……。
むくれてる自分がなんだか小さい人間に思えてきてしまった。
「悪かったよ、咲希。ただ咲希の反応見てたら止まらなくなっちまって!でも咲希の可愛い本音も聞けたから結果オーライだな。」
え!!ま、まさか!!
「あの!た、確かに勢いで、 “バカでキス魔” って言ってしまいましたが、その…売り言葉に買い言葉っていうか……、決して本心ではなくて、」
「あぁ、そっちか。まぁアレは正直当たってるよな。否めねぇ。」
え!!!認めちゃうの!?
「咲希限定だから仕方ねぇよな、それを言われても。」
ん??
私……限定!??
私限定でバカになるの!??
いやいや、成績優秀なのに!霧島くん…。
でもキス魔になっちゃうのはちょっと問題よね…。
確かにからかい甲斐があるって昔から言われてるけどさ。
私だって一応女性だから、そこはもう少し考慮してほしいな……。
それにキスなんて慣れてないし。欧米人じゃないんだからさ、私。
とほほ。
「……なんかいま、考え方脱線してんだろ?」
霧島くんが少し呆れ顔で見ていた。
脱線??
「…まあいいや、それは保留で。俺が言ったのは、咲希が “違う仕事にしてほしい” って言ったやつ。」
あ!
そ、それか!
「ホストは辞めてほしいって思ってくれたんだろ?なんか嬉しかった…。」
霧島くんが顔を綻ばせ、また側に立って、私に腕をまわしてきた。
ひゃあ!
「ああああの!そそそれは、べつに、深い意味はなくてですね!!みみみ未成年が、やはり、ホストクラブで働くのは、」
「ふーん。でもそんなウソ、俺には通用しねぇから。」
うー……。
なんかどうやっても霧島くんには勝てない、そんな気がした。
悔しいな…。
「さてと。じゃあそろそろ帰るかな。咲希と別れんのは名残惜しいけど。」
あ……。
帰っちゃうんだ…。
そっか。
そうだよね。
遅くなっちゃうもんね!
「そうですね…。私も名残惜しいし、もっと霧島くんと一緒にいたかったです。でも、また学校で会えますもんね!今日は本当にありがとうございました!とっても楽しかったです。気をつけて帰って下さいね?」
「……っ!!」
ん?
どうしたんだろ??
急に霧島くんの顔が赤く染まっていく……。
それは暗くてもわかるくらいの赤さに。
「…………無自覚って罪だよな。」
「え?今なんて??」
何て言ったのか聞こえなかったよ!
「……ナイショ。」
なんで!!
そんなこんなで霧島くんと始まった変な戦いは、
私の完全なる完敗で終わったのだった。