不良リーダーの懸命なる愛
癒し
「あの、有難うございます。入店禁止のはずなのに、珈琲を淹れていただけるなんて…。」
「いいのよ!咲希ならいつでも大歓迎よ!アタシ、咲希みたいな女を見る目がある娘は嫌いじゃないの!」
「……女って、お前は男ダロ。くそジジイ。」
ドカッ!
「イッッ!!!」
「霧島くん、だ、大丈夫?!どこか痛くしたの!??」
「フン。天罰よ!」
あの後コーヒー豆が大量に届き、お店も無事開店できた。
「でもマリコさん。どうして色の濃いものと、そうでないものがあったんですか??濃いコーヒー豆は今使ってますけど、あの大量の豆は今日使わないんですか??」
「あぁ!それは “ロースト” されてない、お豆だ・か・ら・よん♪」
「ろーすと??」
「 “焙煎” のことだ。まったく……咲希にわかりやすく言えよな、ジジイ。」
ドゴッ!!
「ッテー!!」
「どうしたの!?霧島くん、お腹でも痛いの!??」
「フン!天誅よ。」
マリコさんの話では、出荷されたときのコーヒー豆は生豆で、それは飲めないらしい。
焙煎して初めて私達が普段目にするコーヒー豆ができあがるんだって!
今日は “豆” 自体が無くて、知り合いから焙煎されたコーヒー豆を今日の分だけ譲ってもらったらしい!
「へ~!知らなかったなぁ!焙煎してもすぐには飲めないっていうことも!」
「まぁそれは好みによるな。すぐ淹れると湯とコーヒーがなじまねぇから、この店では1日ないし2日は置くな。…咲希は普段あまり珈琲は飲まねぇのか?」
「月に二、三度くらいかな。その……珈琲っていっても、スーパーで買ってきたものだけど…。」
本格的に淹れてる人達の前でカミングアウトするのはちょっと恥ずかしい……。
「そうじゃないかなと思って、淹れておいたわ!!コレを咲希にご馳走してあげる♪」
出てきたのは一杯の珈琲。
カップは白い十字に赤と青が入っている色鮮やかなものだった。
「このカップ……どこかの国旗のような……。」
「さすが咲希っ!!これはね、アタシがドミニカ共和国に行ったときに買ったカップで、国旗を表しているの!」
「ドミニカ共和国?」
「まさかこれ、ドミニカのモンテアルトか?」
「そ!咲希!飲んでみてっ♪」
わ~!
この珈琲、色がキレイ!
甘い香りが漂ってきて、ほのかな柑橘系の香りもする……!
「いただきます……。」
!!!
「どぉ??」
「…………なんか不思議。珈琲って苦いとばかり思ってたから、全然苦味がなくてすごく飲みやすいです!!すごくおいしいっ!!!」
「…っ。」
すると霧島くんの頬がほんのりピンクに染まった。
「リッキー。誉められてるのは珈琲とアタシで、リッキーはまるで関係ないんだけど?おわかり?」
「っ!う、うっせえ!知ってるよ、んなこと……。クソッ。俺が淹れてやりたかったのに………。」
「リッキーは放って置いて…、咲希は普段珈琲飲まないと思ったから、甘みがある珈琲を淹れたの!ちなみにこれはノンシュガーよおぉぉ!!」
「えっ!!す…すごい!お砂糖が入ってないなんて!」
「でしょー?!マリコのイチオシよ!」
「本名は “霧島のりお” ダロ。マリコさんよ。」
ドゴォッ!!!
「グッ…!!」
「霧島くん!!?やっぱりお腹の具合がッ!!」
「フン!平気よ。ムダに筋肉あるから。」
「~んの、ジジイッ!!さっきからてめぇばっか咲希と話してんじゃねぇーよ!!咲希は俺に逢いにきたんダヨ!!!」
「あら。そんなこと咲希は一言も言ってないわよ~?ね、咲希?」
え!!
とばっちり!?
「え、えっと~。実は昨日、霧島くんのバイト先を聞いたので、それで今日はちょっと時間もあったので、気になって………その……覗きに来て……しまい…まし…た。」
ハッ!
また顔が熱くなってきちゃったよ!
それを誤魔化すために、私は珈琲をまた一口飲んだ。
「咲希…。ジジイがいなかったら、速攻お前を俺のものにし…アツッ!!」
「卑猥なこと言ってんじゃねぇわよ!咲希の言葉に深い意味なんてないのにさ。ムダにサカっちゃって、バッカみたい!フン!!」
「さかる???あの、それも珈琲の用語なんですか…?」
「サカるってのは、男が女に対して性欲…」
「こんのぉクソ野郎!!どっちが卑猥だっ!!俺と咲希の間に入ってくんじゃねぇーー!!!!」
……よくわからないけど、なんだか賑やかでいいな!
和んじゃう。
だからかもしれない。
私は全然気がつかなかった。
そんな私達をナイフのように突き刺すような眼で見ていた人がいたなんて……。
「いいのよ!咲希ならいつでも大歓迎よ!アタシ、咲希みたいな女を見る目がある娘は嫌いじゃないの!」
「……女って、お前は男ダロ。くそジジイ。」
ドカッ!
「イッッ!!!」
「霧島くん、だ、大丈夫?!どこか痛くしたの!??」
「フン。天罰よ!」
あの後コーヒー豆が大量に届き、お店も無事開店できた。
「でもマリコさん。どうして色の濃いものと、そうでないものがあったんですか??濃いコーヒー豆は今使ってますけど、あの大量の豆は今日使わないんですか??」
「あぁ!それは “ロースト” されてない、お豆だ・か・ら・よん♪」
「ろーすと??」
「 “焙煎” のことだ。まったく……咲希にわかりやすく言えよな、ジジイ。」
ドゴッ!!
「ッテー!!」
「どうしたの!?霧島くん、お腹でも痛いの!??」
「フン!天誅よ。」
マリコさんの話では、出荷されたときのコーヒー豆は生豆で、それは飲めないらしい。
焙煎して初めて私達が普段目にするコーヒー豆ができあがるんだって!
今日は “豆” 自体が無くて、知り合いから焙煎されたコーヒー豆を今日の分だけ譲ってもらったらしい!
「へ~!知らなかったなぁ!焙煎してもすぐには飲めないっていうことも!」
「まぁそれは好みによるな。すぐ淹れると湯とコーヒーがなじまねぇから、この店では1日ないし2日は置くな。…咲希は普段あまり珈琲は飲まねぇのか?」
「月に二、三度くらいかな。その……珈琲っていっても、スーパーで買ってきたものだけど…。」
本格的に淹れてる人達の前でカミングアウトするのはちょっと恥ずかしい……。
「そうじゃないかなと思って、淹れておいたわ!!コレを咲希にご馳走してあげる♪」
出てきたのは一杯の珈琲。
カップは白い十字に赤と青が入っている色鮮やかなものだった。
「このカップ……どこかの国旗のような……。」
「さすが咲希っ!!これはね、アタシがドミニカ共和国に行ったときに買ったカップで、国旗を表しているの!」
「ドミニカ共和国?」
「まさかこれ、ドミニカのモンテアルトか?」
「そ!咲希!飲んでみてっ♪」
わ~!
この珈琲、色がキレイ!
甘い香りが漂ってきて、ほのかな柑橘系の香りもする……!
「いただきます……。」
!!!
「どぉ??」
「…………なんか不思議。珈琲って苦いとばかり思ってたから、全然苦味がなくてすごく飲みやすいです!!すごくおいしいっ!!!」
「…っ。」
すると霧島くんの頬がほんのりピンクに染まった。
「リッキー。誉められてるのは珈琲とアタシで、リッキーはまるで関係ないんだけど?おわかり?」
「っ!う、うっせえ!知ってるよ、んなこと……。クソッ。俺が淹れてやりたかったのに………。」
「リッキーは放って置いて…、咲希は普段珈琲飲まないと思ったから、甘みがある珈琲を淹れたの!ちなみにこれはノンシュガーよおぉぉ!!」
「えっ!!す…すごい!お砂糖が入ってないなんて!」
「でしょー?!マリコのイチオシよ!」
「本名は “霧島のりお” ダロ。マリコさんよ。」
ドゴォッ!!!
「グッ…!!」
「霧島くん!!?やっぱりお腹の具合がッ!!」
「フン!平気よ。ムダに筋肉あるから。」
「~んの、ジジイッ!!さっきからてめぇばっか咲希と話してんじゃねぇーよ!!咲希は俺に逢いにきたんダヨ!!!」
「あら。そんなこと咲希は一言も言ってないわよ~?ね、咲希?」
え!!
とばっちり!?
「え、えっと~。実は昨日、霧島くんのバイト先を聞いたので、それで今日はちょっと時間もあったので、気になって………その……覗きに来て……しまい…まし…た。」
ハッ!
また顔が熱くなってきちゃったよ!
それを誤魔化すために、私は珈琲をまた一口飲んだ。
「咲希…。ジジイがいなかったら、速攻お前を俺のものにし…アツッ!!」
「卑猥なこと言ってんじゃねぇわよ!咲希の言葉に深い意味なんてないのにさ。ムダにサカっちゃって、バッカみたい!フン!!」
「さかる???あの、それも珈琲の用語なんですか…?」
「サカるってのは、男が女に対して性欲…」
「こんのぉクソ野郎!!どっちが卑猥だっ!!俺と咲希の間に入ってくんじゃねぇーー!!!!」
……よくわからないけど、なんだか賑やかでいいな!
和んじゃう。
だからかもしれない。
私は全然気がつかなかった。
そんな私達をナイフのように突き刺すような眼で見ていた人がいたなんて……。