不良リーダーの懸命なる愛
第八章
反抗
午後3時、駅前。
私は霧島くんに送られ、待ち合わせ場所へやってきたんだけど……。
「咲希のダチ、何処にいんだ?」
「おかしいな。もう着いてるってさっき二人からメール来たのに。」
ちーちゃんと唯ちゃんの姿が見えない…。
何処に行っちゃったんだろ?
場所は間違ってないはず…。
「電話してみ?」
霧島くんがそう促してくれる。
「そうですね。かけてみます!」
と、言って携帯にかけてみたものの、留守電になってしまい二人とも連絡がつかない!
「う~ん……もしかして何かあったのかな?!」
今度はメールを打つことに。
「えっと……。」
カチカチとボタンを押していると……。
「咲希、けっこうメール打つの遅いな?」
ノシ……
と背中に重みが!!
へ!?
この重み、さっきお店で………
ってことはまさか!!
すると今度は頭のテッペンも重みを感じる!
お、重い……。
「霧島くん?!ちょっと、重いのですが!!?」
重さの正体はやはり霧島くんで、私の背中にくっついてきた。
霧島くんの顎が私の頭に乗り、彼の両手がいつの間にか私のお腹辺りに組まれていて、
ダラ~ンと脱力感丸出しの格好になっていた。
「咲希小せぇからスッポリ収まって楽。」
「あの……私は決して……楽ではないのですが…………!?」
「いい匂いするし、癒されるし。抱き枕にしてぇ。……家に持ち帰るか!」
え!!?
冗談だよね!?
っていうか、私ってただの霧島くんの癒しグッズ!??
「あの~私、骨張ってるんで、きっと寝心地とか最悪だと思いますよ?それに寝相悪いので、抱き枕にはならないかと…。」
すると霧島くんは私から体を離し、吹き出してしまった。
「ブハハハハハ!!咲希って寝相悪ぃのかっ!しかも骨張ってるって…!ただ余計な脂肪がないだけダロ?クククッ。」
な、なによ!
もう!
焦って言い訳してる自分がなんだか馬鹿みたいじゃない!
頬を膨らませていると、霧島くんが横からつんつんと頬を突っついてくる。
「なにむくれてんの?寝相悪いの可愛いじゃん。」
ムッ!
「むくれますよ!……笑ってたくせに。」
カチカチとまたメールを打ち出す。
「なぁ、咲希。」
「…………。」
「咲希さん?」
「…………。」
「おーい、咲希?」
「…………。」
「まぁ、聞いてくれなくてもいいけどさ、アレ。あそこの植え込みのところに隠れてんの、咲希のダチじゃね?」
「…………え!!?何処!!」
霧島くんが視線で教えてくれる。
その視線を追っていくと、数メートル先の花壇のところに二人の頭が出ていた!
え!?
ちーちゃんと唯ちゃん??
何やってるんだろ!??
するとそこから微かに声が聞こえてくる……!
「……あ!二人ともこっち見た!ヤバイ、バレたかも!!」
「ね、ねぇ、千枝ちゃん…。私、もうこの格好……恥ずかしいんだけど……。」
よ~く見ると、二人は両手に葉のついた枝を持って隠れていた。
「唯ちゃん、大丈夫だって!全然おかしくないよ!」
「でも……さっきからココを通ってく人達、みんな私達見て笑ってくよ?」
「仕方ないよ、咲希が王子連れてきちゃったんだからさ~!やっぱしあたしらは見守らないと!!それに、“木を隠すなら森の中” っていうじゃない!?隠れるにはこれが一番ッ!!」
ちーちゃん……声が大きいからバレてるよ。
「千枝ちゃん、それはちょっと使い方が違う気が……。今の状況は “頭隠して尻隠さず” が当たってるんじゃない……?だって、さっきから咲希ちゃん達、ずっとこっち見てるよ?!」
いや、お尻は隠れてるんだけど、頭が出てるって!
すると私の後ろで再び笑い声が……!
「ハハハッ!ヤスから聞いてたけど、咲希のダチも面白れぇな!?」
ブハハハハハハ
うっ!
なんか恥ずかしい……。
顔から湯気が立ちのぼりそう…。
私は爆笑している霧島くんを一人おいて、二人のもとへ駆けていく!
「「ゲッ!!見つかる!!」」
ササッと逃げようとする二人に向かって私は、その行くてを阻む。
「ちょっと、そこのお二人さん。声が丸聞こえなんですけど?…ちーちゃんと唯ちゃん!」
ビクゥ!っと二人の肩が跳ね上がり、ゆっくりとこっちを振り返った。
その格好が可笑しくて、私は思わず笑ってしまった!
「あはは!頭に葉っぱが付いてるよ!?」
二人は互いの顔を見合わせ、そして苦笑いをしていた。
「ごめん、咲希!あたしらそこで待ってたら、遠くで咲希と霧島王子が手を繋いで歩いてくるのが見えたから、あたしらお邪魔かな~~?と思ってさ!ごめん!」
ちーちゃんが手を合わせて謝ってくる!
「そうなの。だからちょっと気を遣おうって話になって…。ごめんね!でも、その、二人が抱き合うのを覗き見する気はなかったんだけど……。」
ハッ!!
ま、まさか、さっきの!!
み、み、見られ……
「唯ちゃん、“抱き合う” は違うわよ!“抱き締められた” のよ!!アレは!」
「あ!そうか!!語弊があったよ!気をつけないと…!」
「ちょ、ちょっと?!二人とも違うんだからね!!勘違いしないで…」
するとハッ!!と二人の顔が急に強張る。
ん?
どうしたんだろう??
「咲希、今さら何を恥ずかしがってんだ?もう “大人の付き合い” をしまくった仲ダロ?」
へ?!
大人の付き合い?!!
いつの間にか私の背後に霧島くんが居て、意地悪そうに微笑んでいる!!
ハッ!!
またからかって!?
するとちーちゃんが本気に捉えてしまい、
「咲希ッ!!あ、あ、あ、あんた!もうそんな…………!!!」
「千枝ちゃん?!ちょっとしっかりして!!鼻血がッ!!」
ついにちーちゃんが鼻血を出してしまった…!!
「ちょっと霧島くん!!?ちーちゃんの鼻血をどうしてくれるの!!」
「咲希が悪い。変な言い訳しようとするから。俺は間違ってないし。」
そう言うと霧島くんは、ツーン!と、そっぽを向いてしまった!
今度は霧島くんが拗ねちゃったよ…。
と、その時!
遠くから複数の足音がバタバタと聴こえてきた!!
その正体は女の子の集団だった!!
え!何アレ!?
こっちに向かって走ってくる!!!
集団が勢いよく駆けてきたところは………。
「理人~!こんなところで何やってんのぉ!?」
「駅前で理人に会えるなんてマジ、ラッキー!」
え……。
その集団が行き着いたところ。
それはなんと霧島くんだった!!
私は霧島くんに送られ、待ち合わせ場所へやってきたんだけど……。
「咲希のダチ、何処にいんだ?」
「おかしいな。もう着いてるってさっき二人からメール来たのに。」
ちーちゃんと唯ちゃんの姿が見えない…。
何処に行っちゃったんだろ?
場所は間違ってないはず…。
「電話してみ?」
霧島くんがそう促してくれる。
「そうですね。かけてみます!」
と、言って携帯にかけてみたものの、留守電になってしまい二人とも連絡がつかない!
「う~ん……もしかして何かあったのかな?!」
今度はメールを打つことに。
「えっと……。」
カチカチとボタンを押していると……。
「咲希、けっこうメール打つの遅いな?」
ノシ……
と背中に重みが!!
へ!?
この重み、さっきお店で………
ってことはまさか!!
すると今度は頭のテッペンも重みを感じる!
お、重い……。
「霧島くん?!ちょっと、重いのですが!!?」
重さの正体はやはり霧島くんで、私の背中にくっついてきた。
霧島くんの顎が私の頭に乗り、彼の両手がいつの間にか私のお腹辺りに組まれていて、
ダラ~ンと脱力感丸出しの格好になっていた。
「咲希小せぇからスッポリ収まって楽。」
「あの……私は決して……楽ではないのですが…………!?」
「いい匂いするし、癒されるし。抱き枕にしてぇ。……家に持ち帰るか!」
え!!?
冗談だよね!?
っていうか、私ってただの霧島くんの癒しグッズ!??
「あの~私、骨張ってるんで、きっと寝心地とか最悪だと思いますよ?それに寝相悪いので、抱き枕にはならないかと…。」
すると霧島くんは私から体を離し、吹き出してしまった。
「ブハハハハハ!!咲希って寝相悪ぃのかっ!しかも骨張ってるって…!ただ余計な脂肪がないだけダロ?クククッ。」
な、なによ!
もう!
焦って言い訳してる自分がなんだか馬鹿みたいじゃない!
頬を膨らませていると、霧島くんが横からつんつんと頬を突っついてくる。
「なにむくれてんの?寝相悪いの可愛いじゃん。」
ムッ!
「むくれますよ!……笑ってたくせに。」
カチカチとまたメールを打ち出す。
「なぁ、咲希。」
「…………。」
「咲希さん?」
「…………。」
「おーい、咲希?」
「…………。」
「まぁ、聞いてくれなくてもいいけどさ、アレ。あそこの植え込みのところに隠れてんの、咲希のダチじゃね?」
「…………え!!?何処!!」
霧島くんが視線で教えてくれる。
その視線を追っていくと、数メートル先の花壇のところに二人の頭が出ていた!
え!?
ちーちゃんと唯ちゃん??
何やってるんだろ!??
するとそこから微かに声が聞こえてくる……!
「……あ!二人ともこっち見た!ヤバイ、バレたかも!!」
「ね、ねぇ、千枝ちゃん…。私、もうこの格好……恥ずかしいんだけど……。」
よ~く見ると、二人は両手に葉のついた枝を持って隠れていた。
「唯ちゃん、大丈夫だって!全然おかしくないよ!」
「でも……さっきからココを通ってく人達、みんな私達見て笑ってくよ?」
「仕方ないよ、咲希が王子連れてきちゃったんだからさ~!やっぱしあたしらは見守らないと!!それに、“木を隠すなら森の中” っていうじゃない!?隠れるにはこれが一番ッ!!」
ちーちゃん……声が大きいからバレてるよ。
「千枝ちゃん、それはちょっと使い方が違う気が……。今の状況は “頭隠して尻隠さず” が当たってるんじゃない……?だって、さっきから咲希ちゃん達、ずっとこっち見てるよ?!」
いや、お尻は隠れてるんだけど、頭が出てるって!
すると私の後ろで再び笑い声が……!
「ハハハッ!ヤスから聞いてたけど、咲希のダチも面白れぇな!?」
ブハハハハハハ
うっ!
なんか恥ずかしい……。
顔から湯気が立ちのぼりそう…。
私は爆笑している霧島くんを一人おいて、二人のもとへ駆けていく!
「「ゲッ!!見つかる!!」」
ササッと逃げようとする二人に向かって私は、その行くてを阻む。
「ちょっと、そこのお二人さん。声が丸聞こえなんですけど?…ちーちゃんと唯ちゃん!」
ビクゥ!っと二人の肩が跳ね上がり、ゆっくりとこっちを振り返った。
その格好が可笑しくて、私は思わず笑ってしまった!
「あはは!頭に葉っぱが付いてるよ!?」
二人は互いの顔を見合わせ、そして苦笑いをしていた。
「ごめん、咲希!あたしらそこで待ってたら、遠くで咲希と霧島王子が手を繋いで歩いてくるのが見えたから、あたしらお邪魔かな~~?と思ってさ!ごめん!」
ちーちゃんが手を合わせて謝ってくる!
「そうなの。だからちょっと気を遣おうって話になって…。ごめんね!でも、その、二人が抱き合うのを覗き見する気はなかったんだけど……。」
ハッ!!
ま、まさか、さっきの!!
み、み、見られ……
「唯ちゃん、“抱き合う” は違うわよ!“抱き締められた” のよ!!アレは!」
「あ!そうか!!語弊があったよ!気をつけないと…!」
「ちょ、ちょっと?!二人とも違うんだからね!!勘違いしないで…」
するとハッ!!と二人の顔が急に強張る。
ん?
どうしたんだろう??
「咲希、今さら何を恥ずかしがってんだ?もう “大人の付き合い” をしまくった仲ダロ?」
へ?!
大人の付き合い?!!
いつの間にか私の背後に霧島くんが居て、意地悪そうに微笑んでいる!!
ハッ!!
またからかって!?
するとちーちゃんが本気に捉えてしまい、
「咲希ッ!!あ、あ、あ、あんた!もうそんな…………!!!」
「千枝ちゃん?!ちょっとしっかりして!!鼻血がッ!!」
ついにちーちゃんが鼻血を出してしまった…!!
「ちょっと霧島くん!!?ちーちゃんの鼻血をどうしてくれるの!!」
「咲希が悪い。変な言い訳しようとするから。俺は間違ってないし。」
そう言うと霧島くんは、ツーン!と、そっぽを向いてしまった!
今度は霧島くんが拗ねちゃったよ…。
と、その時!
遠くから複数の足音がバタバタと聴こえてきた!!
その正体は女の子の集団だった!!
え!何アレ!?
こっちに向かって走ってくる!!!
集団が勢いよく駆けてきたところは………。
「理人~!こんなところで何やってんのぉ!?」
「駅前で理人に会えるなんてマジ、ラッキー!」
え……。
その集団が行き着いたところ。
それはなんと霧島くんだった!!