不良リーダーの懸命なる愛
第二章

接触

翌日、朝の通学ーー




『おはよー』


『ねぇ〜昨日のTV観た?』


『俺このあいださ、バイトしてたとき…』



いつもと変わらない、和やかな朝の時間があった。




あれから昨日、私は不良の妄想でなかなか眠れずにいた。


そのため睡眠不足。


でも妄想がどんどんいきすぎて、最後はモンスターみたいになっちゃったんだよね…。


それにハッ!と気づいた私は、


「いやいや!不良だって人の子だし!私を獲って喰らうなんてことはしないでしょっ!うん、そうだ、考えすぎだよね。」


と結論づけて、
その後は記憶がないのでどうやらすぐ眠れたみたい。


だからもしあの理人っていう先輩に聞かれたら正直に言おうと思うんだ!



偶然あの場所に居合わせて聞こえてしまっただけなんです!って。



実際話の内容はあまり理解できていなかった。



ただ別れ話をしてたのはなんとなくわかったけど……。




そうだ!



そうだよ!



私はやましい事はしてないんだから!胸を張ろう!


うん、そうだよ!


一晩でいやに逞しさ増して、私は学校の正門をくぐった…。





1年専用の下駄箱にて。


ローファーから上履きに履き替えていたとき。


「理人さん、オッハー♪」


「ウッス!理人さん!」



…………。




ん?


いま、確かに''理人”って聞こえた…よね?



一瞬あの理人先輩を思い出す。



いやいや、あの人は先輩だから!


一年の下駄箱にいたらおかしいもんね!


それに理人の一人や二人いるって。


それにしても、この下駄箱の裏からかな…?



この声は。



「今日は早いんスね〜!毎回遅刻なのに!」


「…てめぇ、朝っぱらからケンカ売ってんのか?准平。」


「え〜!そんなんじゃなくってさ、なんか珍しいなぁーと単純に思っただけだもん、俺〜!」


「あそ。」


「えぇ!!理人さーん、つーめーたーい〜〜〜!!」


「准平、おまえうっせーぞ!……でも理人さん、なんだか機嫌わるそうッスね。なんか…あったんスカ?」


「………べつに。朝が苦手なダケ。」


「えぇー!!なになに!?なにその今の ''間'' は!!絶っっっ対なにかあったっショ!!?」


「!!まさか!!他校の奴らからケンカでも売られたんスカッ!?」



え!!


喧嘩!!??



思わず教室に向かおうとした足を止めてしまう!


「えっ!?マジ!?俺も参加して〜!!」



さ、参加したい?!



なんで!!



「そんなんじゃねえ。まぁ、心配かけて悪ぃな。」


「なら、いいッスけど…。」


「にしたってさぁ〜、理人さんにケンカ売るやつなんて今さらいるのかなぁ〜?!ケンカ最強伝説いまだに聞くし!」



え”!?喧嘩最強伝説!??




な、何それ…!?



で、でもそれって、なんか危ないニオイが……!!
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