不良リーダーの懸命なる愛
本音
迎えた放課後ーー
HRが終わり、教室中が騒がしくなった。
テストも近いということもあって、教科書を持ち帰る生徒がほとんど。
来週は試験週間に入るんだもんね…。
早いな。
「よし!じゃあ咲希!あたし部活行ってくるから!!」
「うん!今日も気合い入ってるね?」
「だってメンバー決め今日発表だからさー!あ~緊張するッ!強敵が一人いるからさ、どっちになるかわっかんないのよね!!でも、あたしが勝つ!!ダハハハ!またね~!!」
そしてちーちゃんは風のように去って行った。
ちーちゃん、選ばれるといいな。
一年生で選ばれる可能性があるなんてすごいことだよね……。
ちーちゃんが出て行った後、
私は遠い目をしてこれから自分が成すべきことを思っていた。
私は、これから霧島くんに言わなくちゃいけないんだ………。
もうあなたとは会えません。
あなたとは話もしたくないです。
あなたのことが、嫌いです。
決して本心なんかじゃない…。
でも、こうするしか道はないんだ……。
私、馬鹿なことしちゃったかも……。
笹原さんにあんな事を言わなければ、
もしかしたら傷つくのは私一人で済んだかもしれないのに……!
なのに、こんな状況にしたのは紛れもなくこの私だっ!!
「……っ。」
悔しい……!!
こんなことになるなんてっ!!
馬鹿だ……………私ッ!!
「咲希ちゃん……。」
っ!!
いつの間にか唯ちゃんが側にいた。
「ゆ、唯ちゃん。どうかしたの?」
「……咲希ちゃん、本当に笹原さんのこと……千枝ちゃんに言わなくてよかったの…?」
唯ちゃんが不安気な表情をしていた。
そう。
唯ちゃんには笹原さんと話しているところを目撃されたので、ちーちゃんには言わないよう、一応口止めしておいたのだ。
「うん。だってちーちゃん今が大事な時だし!心配かけさせちゃって、せっかくのチャンスを潰したくないから…。」
ちーちゃんに言ったら凄く心配すると思うし、きっと部活に集中できなくなっちゃうと思う……。
それだけは避けたかった!
「でも!…そうかもしれないけど、咲希ちゃんいま凄く辛そうな顔してるよ……?!私は……友達が本当に辛いときには力になりたいよ…!」
唯ちゃん……。
「友達に何にも言われないと、寂しいもんだよ?咲希ちゃん…。」
そっか……。
そうだよね……。
ごめんね、唯ちゃん。
「………ありがとう。でも、私これから約束があるから、もう行かないと…。」
どちらにせよ、中庭で霧島くんが待ってる………。
私はこれから彼に言わなきゃいけないことがある……!
それはとても不本意で、悲しいことだけど……。
「咲希ちゃん………そんなに辛いなら、やめてもいいと思うよ…?」
「え……?な、何が……?」
「だって………、涙が………!」
え………?
気づいたときには、私の頬には涙が伝っていた……。
「私には咲希ちゃんがこれから何をやろうとしているかはわからないし、力になれるかもわからない……。でも!咲希ちゃんは、もっと自分に我が儘になってもいいと思うよ……?」
わがまま……?
「自分を殺してまで、我慢することはないんじゃない?……ね?そう思わないっ!?」
唯ちゃん……。
唯ちゃんの包みこむような、温かい言葉によって、
私の凍った心が溶かされていく……。
そしてつい、本音を吐露してしまった……。
「私ね…………これから霧島くんに……言わなきゃいけないことが…あって……。そうしないと……皆が傷つくことになるから……。」
私が笹原さんの出した条件をのまなければ、
これからずっと霧島くんも、皆も、傷つくことになる……。
でも私が条件をのめば……、
のみさせすれば、もう誰も傷つかない!
でも、本当は!
「………本当は、嫌……なの……。」
交換条件だとしても、
どんなに虐げられたとしても、
こんなこと、本人に………、
「霧島くんに………… “嫌い” だなんて…………嘘でも言えないッ!!」
「咲希…ちゃん……。」
言えない!
言えるわけない……!
こんなこと、本人を目の前にしたら、なおさら言える自信がなかった……!!
「霧島くんのことが……好きなの……。自分でもどうしようもないくらい………!」
HRが終わり、教室中が騒がしくなった。
テストも近いということもあって、教科書を持ち帰る生徒がほとんど。
来週は試験週間に入るんだもんね…。
早いな。
「よし!じゃあ咲希!あたし部活行ってくるから!!」
「うん!今日も気合い入ってるね?」
「だってメンバー決め今日発表だからさー!あ~緊張するッ!強敵が一人いるからさ、どっちになるかわっかんないのよね!!でも、あたしが勝つ!!ダハハハ!またね~!!」
そしてちーちゃんは風のように去って行った。
ちーちゃん、選ばれるといいな。
一年生で選ばれる可能性があるなんてすごいことだよね……。
ちーちゃんが出て行った後、
私は遠い目をしてこれから自分が成すべきことを思っていた。
私は、これから霧島くんに言わなくちゃいけないんだ………。
もうあなたとは会えません。
あなたとは話もしたくないです。
あなたのことが、嫌いです。
決して本心なんかじゃない…。
でも、こうするしか道はないんだ……。
私、馬鹿なことしちゃったかも……。
笹原さんにあんな事を言わなければ、
もしかしたら傷つくのは私一人で済んだかもしれないのに……!
なのに、こんな状況にしたのは紛れもなくこの私だっ!!
「……っ。」
悔しい……!!
こんなことになるなんてっ!!
馬鹿だ……………私ッ!!
「咲希ちゃん……。」
っ!!
いつの間にか唯ちゃんが側にいた。
「ゆ、唯ちゃん。どうかしたの?」
「……咲希ちゃん、本当に笹原さんのこと……千枝ちゃんに言わなくてよかったの…?」
唯ちゃんが不安気な表情をしていた。
そう。
唯ちゃんには笹原さんと話しているところを目撃されたので、ちーちゃんには言わないよう、一応口止めしておいたのだ。
「うん。だってちーちゃん今が大事な時だし!心配かけさせちゃって、せっかくのチャンスを潰したくないから…。」
ちーちゃんに言ったら凄く心配すると思うし、きっと部活に集中できなくなっちゃうと思う……。
それだけは避けたかった!
「でも!…そうかもしれないけど、咲希ちゃんいま凄く辛そうな顔してるよ……?!私は……友達が本当に辛いときには力になりたいよ…!」
唯ちゃん……。
「友達に何にも言われないと、寂しいもんだよ?咲希ちゃん…。」
そっか……。
そうだよね……。
ごめんね、唯ちゃん。
「………ありがとう。でも、私これから約束があるから、もう行かないと…。」
どちらにせよ、中庭で霧島くんが待ってる………。
私はこれから彼に言わなきゃいけないことがある……!
それはとても不本意で、悲しいことだけど……。
「咲希ちゃん………そんなに辛いなら、やめてもいいと思うよ…?」
「え……?な、何が……?」
「だって………、涙が………!」
え………?
気づいたときには、私の頬には涙が伝っていた……。
「私には咲希ちゃんがこれから何をやろうとしているかはわからないし、力になれるかもわからない……。でも!咲希ちゃんは、もっと自分に我が儘になってもいいと思うよ……?」
わがまま……?
「自分を殺してまで、我慢することはないんじゃない?……ね?そう思わないっ!?」
唯ちゃん……。
唯ちゃんの包みこむような、温かい言葉によって、
私の凍った心が溶かされていく……。
そしてつい、本音を吐露してしまった……。
「私ね…………これから霧島くんに……言わなきゃいけないことが…あって……。そうしないと……皆が傷つくことになるから……。」
私が笹原さんの出した条件をのまなければ、
これからずっと霧島くんも、皆も、傷つくことになる……。
でも私が条件をのめば……、
のみさせすれば、もう誰も傷つかない!
でも、本当は!
「………本当は、嫌……なの……。」
交換条件だとしても、
どんなに虐げられたとしても、
こんなこと、本人に………、
「霧島くんに………… “嫌い” だなんて…………嘘でも言えないッ!!」
「咲希…ちゃん……。」
言えない!
言えるわけない……!
こんなこと、本人を目の前にしたら、なおさら言える自信がなかった……!!
「霧島くんのことが……好きなの……。自分でもどうしようもないくらい………!」