不良リーダーの懸命なる愛

再会

「何やってんだよ、お前は…!」




威圧感たっぷりで鋭い眼光を放っている、かなり派手な長身の男子が立っていた!



な、なんだか、


恐ろしい形相をされているっ!!



で、でも、この明らかに不良のお方、
どこかで……?



…………。




あっ!!そうだった!



前にもこうして私が准平先輩に絡まれてた時、助けてくれた不良のお方…!



そうだよ、

背がすごく高かったし、髪もこんな感じだったし………!




ん!?




この髪色……。



え!!?



ま、まさか!!!




「リヒドざん!!イ”ダ イ”~~~!!!」


准平先輩はおもいっきり左耳を引っ張られていた。


「准平…、大概にしろよ?」


「イデーー!!っ。り、理人さん!ちょっと…いや、かなりヒドくないっ!!?」


やっと離してもらった左耳を手で抑え、准平先輩は涙目で訴えている。


「てめーが懲りねえのがいけねんだろぉがっ!!!」



ひぃぃ!!



怒号が准平先輩に降りかかる…。


「な、なんでだよ~!いまに始まった事じゃねージャン!理人さんのバカッ!!」


「………。」


無言の圧力が准平先輩に押し寄せてくる!


「うっ!…えっと……だ、だから、その……り、理人さんだって可愛い子がいたらさ!だ、抱きつきたくなるジャン!?た、たぶん…だけど……」


「へー。……だけどな、っ嫌がってるオンナに抱きついていい理由になんねーんだよ!!!!」



や、やっぱりそうだ!



声といい話し方といい、


この理人っていう人、昨日中庭にいた理人先輩だっっ!!!



そう確信した!



そうなると…、


このままの勢いでいくと……、



“昨日盗み聞きしてた女” が私だって今気づかれたら、私、准平先輩の二の舞になっちゃう!!



ど、どどどどうしよう!!



さっきの決意は何処へやら…。



そう……、

あんなに決意してたのに、それを理人先輩は見事に一瞬にして吹き飛ばしてくれたのだ……。




こ、この迫力は誰も敵わないよっ!!




もう私はこの場で公開処刑にでもなるのだろうか…!?



吊るし上げ……とか!!?



恐怖でもう私はその場で固まってしまって、二人の言い争う声が遠くの方で聞こえてくる……。



そんな感じだった。


「ちょっ、理人さん、准平も!もうやめましょうよっ!」


さきほどからこちらを見守っていた一人の不良仲間の男子が、二人の間に入って必死に止めていた。



「だって~!理人さんが全然わけわかんないんだもんっ!!」


「ったく!てめぇの頭はカラッポかよ!」




するとそこへ…




「はいはい、ストーップ。もう終わりにしねーか、二人とも。」


穏やかな声が割って入ってきた。


「ヤ、ヤスさぁーん!」


准平先輩は、ヤスという人に駆け寄った。


今の声は、あの人から?



でも。



いで立ちは、なかなか……と、言いますか。


スキンヘッド姿にシルバーのアクセサリー達が妙に彼をひきたたせていて……。



やっぱり、このかたもあちらの世界の人……だよね?!


「ほら、遅刻すんぞ。准平は早く教室行け!今日当番だろ?」


「げぇ~。当番かよ、俺~!ったく、めんどいなぁー!サボろっかな~。」


「サボったら雑用一週間らしいぞ?ヨシミが言ってたじゃねーか。」


「んだよ!あのババアー。…ちぇ。わ~かったよ!やればいいんだろ!」



すると、准平先輩はチラッとこっちを向いた!!
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