不良リーダーの懸命なる愛
第十一章
誘拐
「ただのバカね!」
私はコピ・ルアックで、マリコさんの淹れてくれた珈琲を飲んでいた。
「ば、馬鹿?!…………ですか?!!」
「だってそうでしょ!!さっきから咲希の話を聞いてれば、ただの “自虐的かっこつけ野郎” じゃないの!!!リッキーもそんなに堕ちたなんて、呆れてモノも言えないわよ!フン!!」
あぁ……。
やっぱり言わない方が良かったのかも。
霧島くんの印象が悪くなってしまった………。
霧島くんとの別れの経緯をマリコさんに執拗に訊かれたので、
私は観念して話してしまった。
でもそのせいで、マリコさんはご立腹のようで……。
ちなみに霧島くんは、今日はお店のバイトはお休みらしい。
霧島くんの居ないカウンターは、なんだかガランとしていた。
「でも、やっぱり霧島くんもどうしようもなかったと思うんです…。相手が女の子じゃ、殴り合いの喧嘩をするわけにもいかなかっただろうし……。」
霧島くんと笹原さん達のことをマリコさんには一応話したけど、
やっぱりこのことに関しては、すぐに解決とかは難しいと改めて思ってしまう。
「だからよ!!好きで本当に護りたいんなら、ガムみたいに一日中咲希にへばり付いてればいいじゃないのよ!!!それを気取って、『別れよう。俺たちはもう無理だ!悪いな、咲希。』……………………なんて、まさに偽善のゴミよ!!!あり得ないわぁーーー!!!」
「え?!!いや、私たちは別に恋人同士だったわけでは無く、友達として…」
「あぁ~~~~虫唾が走るわぁぁ!!!」
聞いてない……。
マリコさんの暴走は果てしなく、私が珈琲を飲み終わる頃も続いたのだった……。
その後、
お会計を済ましてお店の玄関まで来るとマリコさんがお見送りしてくれる。
「咲希!!もしまたリッキーに酷いことされたら、もうあんな女々しい男は捨てちゃいなさいっ!!!こっちからフってやりなさいよ!?わかったわね!!?」
「え?!いえ、そんなことは!!と、と、とにかくもう一度本人とよく話してみますね!……マリコさん、今日は色々有難うございました!話をきいてもらって、結構スッキリしちゃいました!」
マリコさんの勢いに気圧されながらも、お礼の言葉を述べた。
「咲希……!なんて健気なの!!リッキーには勿体無いわ!!もし男に飢えた時があったら、アタシがいい男紹介してあげるからね!?いつでも言ってよ!?力になるわ!!」
「ふふ。有難うございます!…それじゃまた!」
「今度はお代なんていらないから、いつでも飲みにいらっしゃい!!待ってるわ~!」
マリコさんが外に出て、手を振って見送ってくれる。
ありがとう、マリコさん。
私、頑張るね!
エールを送ってくれるマリコさんに、心の中でそう返事をした…。
お店を出て、少し先の交差点を渡ろうと信号待ちをする。
そこである事に気がついた。
あ!
お醤油、お店に忘れちゃった!!
気づいて急いでお店に戻ろうと振り返った時だった……!!
「鳴瀬咲希さん……よね?」
急に高校生の女の子が私の目の前に現れ、行くてを阻んだ!
「え?………そ、そうですけど。あの、何か?」
するとその女の子以外に、五人の女の子が現れて、私を囲んだ!!
え!!!
なに!!??
知らない女の子に一気に囲まれて、パニックになる!
制服が違うし、うちの生徒じゃないよね!?
じゃあなんで私の名前を知って………!??
「ちょっと話があるの。一緒に来てもらえない?」
え……?
他の子を見渡すとみんなクスクスと笑っている!
なんか、嫌な感じがする……。
「あの、これから用があるのでまたの機会に…。」
と、そう言ってその輪から抜け出そうとする。
が!
「そうはいかないの。霧島理人の件で、あなたに訊きたいことが山ほどあるから!」
と、また囲まれてしまう!!
え……?
霧島くん!?
「霧島くんの件って……いったい何のことを……?!」
「それをこれからアタシ達が訊くから、一緒に来てほしいの。さ!みんな行こうか!」
するとその女の子の声が合図になり、私の両腕を二人の子に拘束されてしまった!!
「ちょっ!何するの?!!やめて!!離してっ!!」
抵抗は虚しく、私は路地裏へその子達に連行されてしまったのだった……!!!
私はコピ・ルアックで、マリコさんの淹れてくれた珈琲を飲んでいた。
「ば、馬鹿?!…………ですか?!!」
「だってそうでしょ!!さっきから咲希の話を聞いてれば、ただの “自虐的かっこつけ野郎” じゃないの!!!リッキーもそんなに堕ちたなんて、呆れてモノも言えないわよ!フン!!」
あぁ……。
やっぱり言わない方が良かったのかも。
霧島くんの印象が悪くなってしまった………。
霧島くんとの別れの経緯をマリコさんに執拗に訊かれたので、
私は観念して話してしまった。
でもそのせいで、マリコさんはご立腹のようで……。
ちなみに霧島くんは、今日はお店のバイトはお休みらしい。
霧島くんの居ないカウンターは、なんだかガランとしていた。
「でも、やっぱり霧島くんもどうしようもなかったと思うんです…。相手が女の子じゃ、殴り合いの喧嘩をするわけにもいかなかっただろうし……。」
霧島くんと笹原さん達のことをマリコさんには一応話したけど、
やっぱりこのことに関しては、すぐに解決とかは難しいと改めて思ってしまう。
「だからよ!!好きで本当に護りたいんなら、ガムみたいに一日中咲希にへばり付いてればいいじゃないのよ!!!それを気取って、『別れよう。俺たちはもう無理だ!悪いな、咲希。』……………………なんて、まさに偽善のゴミよ!!!あり得ないわぁーーー!!!」
「え?!!いや、私たちは別に恋人同士だったわけでは無く、友達として…」
「あぁ~~~~虫唾が走るわぁぁ!!!」
聞いてない……。
マリコさんの暴走は果てしなく、私が珈琲を飲み終わる頃も続いたのだった……。
その後、
お会計を済ましてお店の玄関まで来るとマリコさんがお見送りしてくれる。
「咲希!!もしまたリッキーに酷いことされたら、もうあんな女々しい男は捨てちゃいなさいっ!!!こっちからフってやりなさいよ!?わかったわね!!?」
「え?!いえ、そんなことは!!と、と、とにかくもう一度本人とよく話してみますね!……マリコさん、今日は色々有難うございました!話をきいてもらって、結構スッキリしちゃいました!」
マリコさんの勢いに気圧されながらも、お礼の言葉を述べた。
「咲希……!なんて健気なの!!リッキーには勿体無いわ!!もし男に飢えた時があったら、アタシがいい男紹介してあげるからね!?いつでも言ってよ!?力になるわ!!」
「ふふ。有難うございます!…それじゃまた!」
「今度はお代なんていらないから、いつでも飲みにいらっしゃい!!待ってるわ~!」
マリコさんが外に出て、手を振って見送ってくれる。
ありがとう、マリコさん。
私、頑張るね!
エールを送ってくれるマリコさんに、心の中でそう返事をした…。
お店を出て、少し先の交差点を渡ろうと信号待ちをする。
そこである事に気がついた。
あ!
お醤油、お店に忘れちゃった!!
気づいて急いでお店に戻ろうと振り返った時だった……!!
「鳴瀬咲希さん……よね?」
急に高校生の女の子が私の目の前に現れ、行くてを阻んだ!
「え?………そ、そうですけど。あの、何か?」
するとその女の子以外に、五人の女の子が現れて、私を囲んだ!!
え!!!
なに!!??
知らない女の子に一気に囲まれて、パニックになる!
制服が違うし、うちの生徒じゃないよね!?
じゃあなんで私の名前を知って………!??
「ちょっと話があるの。一緒に来てもらえない?」
え……?
他の子を見渡すとみんなクスクスと笑っている!
なんか、嫌な感じがする……。
「あの、これから用があるのでまたの機会に…。」
と、そう言ってその輪から抜け出そうとする。
が!
「そうはいかないの。霧島理人の件で、あなたに訊きたいことが山ほどあるから!」
と、また囲まれてしまう!!
え……?
霧島くん!?
「霧島くんの件って……いったい何のことを……?!」
「それをこれからアタシ達が訊くから、一緒に来てほしいの。さ!みんな行こうか!」
するとその女の子の声が合図になり、私の両腕を二人の子に拘束されてしまった!!
「ちょっ!何するの?!!やめて!!離してっ!!」
抵抗は虚しく、私は路地裏へその子達に連行されてしまったのだった……!!!