突発性ヴァンパイア・ガール!
*
放課後になって、私、亜美、侑也の3人で、侑也の歓迎会をすることになった。
言い出したのは、亜美だった。
お店や喫茶店ではあまり長居することができないからと、近くのコンビニでお菓子やジュースを買って、私の家に集まることになった。
「ごめんなさい、うらら。私が言い出したのに、うららのお家にお邪魔することになって」
「謝らないで。亜美は下宿してるんだし、亜美の家に集まれないのは仕方ないよ」
亜美は高校入学と同時に一人暮らしを始めている。
そういうことから亜美はしっかり者になったのかもしれない。
申し訳ない、という顔をする亜美に笑ってみせた。
「それに今日は侑也の歓迎会だよ?そんな暗い顔をしないの。ね?」
そういうとようやく亜美は「ありがとう」と言って思い詰めたような顔をやめた。
「それより、侑也、ごめんね」
「ん?」
「今日の主役は侑也なのに、荷物持ちなんてさせちゃって」
コンビニのレジで私が支払いを済ませると、侑也がその荷物を持ってくれた。
何事もないように、当然のことのように。
「大したことじゃないよ。それに僕は代金を払っていないんだ、これくらいはしないとね」
「お金のことは、後で割り勘って決まったんだから気にすることないのに」
「じゃあ、うららもこのことは気にしないで。こういうことは男の仕事だから」
ね、と微笑まれてしまったら、何も言えなくて。
言葉が詰まった。
「2人とも、私のこと忘れてない?」
ムスっとした声が聞こえてハッとすると、亜美だった。
「もう。侑也ったら、うららが可愛いからって私がいること忘れないでくれないかしら?」
「大丈夫。忘れてないよ、亜美」
「本当かしら?」と疑いの目を向ける亜美を優しい言葉で慰める侑也。
何気ないその会話に、私はドキドキしていた。
だって、侑也、さっき、否定しなかった。
『うららが可愛いからって』
その部分を、否定しなかった。
侑也は優しいひとだから、絶対に、女の子に向かって可愛くないなんて言わないと思うけど。
それでも、嬉しかった。
否定しなかったことが、イコール肯定だとは思っていない。
だけど、否定されなかったことが、嬉しかった。
放課後になって、私、亜美、侑也の3人で、侑也の歓迎会をすることになった。
言い出したのは、亜美だった。
お店や喫茶店ではあまり長居することができないからと、近くのコンビニでお菓子やジュースを買って、私の家に集まることになった。
「ごめんなさい、うらら。私が言い出したのに、うららのお家にお邪魔することになって」
「謝らないで。亜美は下宿してるんだし、亜美の家に集まれないのは仕方ないよ」
亜美は高校入学と同時に一人暮らしを始めている。
そういうことから亜美はしっかり者になったのかもしれない。
申し訳ない、という顔をする亜美に笑ってみせた。
「それに今日は侑也の歓迎会だよ?そんな暗い顔をしないの。ね?」
そういうとようやく亜美は「ありがとう」と言って思い詰めたような顔をやめた。
「それより、侑也、ごめんね」
「ん?」
「今日の主役は侑也なのに、荷物持ちなんてさせちゃって」
コンビニのレジで私が支払いを済ませると、侑也がその荷物を持ってくれた。
何事もないように、当然のことのように。
「大したことじゃないよ。それに僕は代金を払っていないんだ、これくらいはしないとね」
「お金のことは、後で割り勘って決まったんだから気にすることないのに」
「じゃあ、うららもこのことは気にしないで。こういうことは男の仕事だから」
ね、と微笑まれてしまったら、何も言えなくて。
言葉が詰まった。
「2人とも、私のこと忘れてない?」
ムスっとした声が聞こえてハッとすると、亜美だった。
「もう。侑也ったら、うららが可愛いからって私がいること忘れないでくれないかしら?」
「大丈夫。忘れてないよ、亜美」
「本当かしら?」と疑いの目を向ける亜美を優しい言葉で慰める侑也。
何気ないその会話に、私はドキドキしていた。
だって、侑也、さっき、否定しなかった。
『うららが可愛いからって』
その部分を、否定しなかった。
侑也は優しいひとだから、絶対に、女の子に向かって可愛くないなんて言わないと思うけど。
それでも、嬉しかった。
否定しなかったことが、イコール肯定だとは思っていない。
だけど、否定されなかったことが、嬉しかった。