突発性ヴァンパイア・ガール!
止まらない血。


どうしようと考えていると、言葉が降ってきた。


「もういい」


「え?」



顔を上げると吉崎君は冷たい目を更に鋭くさせていた。






「あんた、吸血鬼だろ」




「はあ?」





何を言い出すんだ、この人。





「あんたは血の臭いに反応した。

それも、吸血鬼独特の反応の仕方で、だ。

しかもあんたは普段、八重歯なんてないくせに、血の臭いに反応した瞬間、八重歯が出てきた。

それが動かぬ証拠だろう」


慌てて自分の歯を触った。


本来ならそこにあるはずのない長さと鋭さのある歯があり、私は混乱した。


「え、なんで!?どうして!?」


成長期?

歯の?

成長期!?



「自覚はないようだが、あんたは吸血鬼だ」



吉崎君は制服の内ポケットから何かを取り出した。


血まみれの左手には、銀の十字架。


そして右手には、鉛色の拳銃。



「だから今から、退治する」


銃口を私に向け、吉崎君は温度のない言葉を発した。


ググ、と引き金にかける右の人差し指に力を加えていく。



何これ、マジですか!?


意味わかんない!



「私は人間だっつーの!」




私は怒鳴った。


< 23 / 119 >

この作品をシェア

pagetop