突発性ヴァンパイア・ガール!
*
オムライスを食べ終わり教室に向かっている最中、亜美はトイレに行くと言い出した。
そこで私と亜美は別れて、私は一人で教室に向かっていた。
その時だった。
「おい、あんた」
背後から声が聞こえ、体が固まった。
混雑する廊下の中でもその声ははっきりと耳に届いた。
恐る恐る振り返ると、そこにいたのは。
「げっ…」
最低最悪、吉崎聖。
「げっ…ってなんだ。失礼な」
吉崎君は不服そうに眉をひそめた。
「えーっと、吉崎君、私に一体何の用?」
吉崎君の眉がピクリと動いた。不機嫌全開だ。
「あんた、昨日の話、忘れてないよな?」
昨日の話。
きっとそれは。
『あんたには俺の言うことを聞いてもらう』
このことだろう。
「…忘れて、ないけど」
「じゃあ今から来い」
なんでそういうことをしれっと、さらっと言うかな!?
「どこに来いと? あと10分で午後の授業が始まるんですけど!?」
しかも次の授業は遅刻に厳しい英語の先生だ。
命が惜しければサボリなんてしてはいけない。
ポケットに手を突っ込んだまま、吉崎君はかったるそうに言った。
「別に、あんたが来ないなら来ないでもいい。あんたが来ないなら、俺はあんたに金輪際協力しないがな」
挑発されてる、そう思った。
けれどこれが単なる挑発ではなく、吉崎君の本心であるとも思った。
…なんて、厄介なんだろう。
「…分かった。行くよ。それで私はどこへ行けばいいの」
半分諦めてそう聞いた。
すると吉崎君はあっさりとした口調で言った。
「俺について来れば分かる。帰る支度して来い」
「はあ?帰る支度って、なんで!?どこに行く気!?」
「学校の外」
なんともあっさりと出てきたその単語に、冷汗が止まらない。
「授業は?」
「関係ねぇ」
さぼる気全開だ、この人。
授業にはでなくてはならないという意識の欠片も見当たらない。
「私には関係あるんだよ、ばか!」
「俺にばかと言うなんざ10万年早いんだよ、ばかが。俺よりあんたの方がよほどばかだって分かってないのか、このばかが」
吉崎君は不機嫌そうに言った。
オムライスを食べ終わり教室に向かっている最中、亜美はトイレに行くと言い出した。
そこで私と亜美は別れて、私は一人で教室に向かっていた。
その時だった。
「おい、あんた」
背後から声が聞こえ、体が固まった。
混雑する廊下の中でもその声ははっきりと耳に届いた。
恐る恐る振り返ると、そこにいたのは。
「げっ…」
最低最悪、吉崎聖。
「げっ…ってなんだ。失礼な」
吉崎君は不服そうに眉をひそめた。
「えーっと、吉崎君、私に一体何の用?」
吉崎君の眉がピクリと動いた。不機嫌全開だ。
「あんた、昨日の話、忘れてないよな?」
昨日の話。
きっとそれは。
『あんたには俺の言うことを聞いてもらう』
このことだろう。
「…忘れて、ないけど」
「じゃあ今から来い」
なんでそういうことをしれっと、さらっと言うかな!?
「どこに来いと? あと10分で午後の授業が始まるんですけど!?」
しかも次の授業は遅刻に厳しい英語の先生だ。
命が惜しければサボリなんてしてはいけない。
ポケットに手を突っ込んだまま、吉崎君はかったるそうに言った。
「別に、あんたが来ないなら来ないでもいい。あんたが来ないなら、俺はあんたに金輪際協力しないがな」
挑発されてる、そう思った。
けれどこれが単なる挑発ではなく、吉崎君の本心であるとも思った。
…なんて、厄介なんだろう。
「…分かった。行くよ。それで私はどこへ行けばいいの」
半分諦めてそう聞いた。
すると吉崎君はあっさりとした口調で言った。
「俺について来れば分かる。帰る支度して来い」
「はあ?帰る支度って、なんで!?どこに行く気!?」
「学校の外」
なんともあっさりと出てきたその単語に、冷汗が止まらない。
「授業は?」
「関係ねぇ」
さぼる気全開だ、この人。
授業にはでなくてはならないという意識の欠片も見当たらない。
「私には関係あるんだよ、ばか!」
「俺にばかと言うなんざ10万年早いんだよ、ばかが。俺よりあんたの方がよほどばかだって分かってないのか、このばかが」
吉崎君は不機嫌そうに言った。