突発性ヴァンパイア・ガール!
「他の誰があんたを信じなくても、俺はあんたを信じてる。

何があっても信じてやる。


だから、あんたが何を信じたらいいか分からなくなっても、


俺のことは信じてもいい。


信じてもいいから」



吉崎君はハンカチを差し出してくれた。


その目は、まっすぐだった。


いつもと変わらない、どこまでも見透かすような目。




『俺のことは信じてもいい』




脳内で繰り返される吉崎君の言葉。


その言葉を、信じてもいい?


信じて、いいんだよね?


私は涙で震える手でそのハンカチに手を伸ばす。


そしてそれ掴んで、涙を拭いた。


ハンカチからはほのかに爽やかな石鹸の匂いがする。


それがすごく心地よかった。


包み込まれるような安心感に涙が溢れた。



クラスメイトは話を聞いてくれない。


亜美や侑也には裏切られた。


嘘も吐かれた。


ありもしない噂だって流された。



だけど、ここに、私を受け入れてくれる人がいる。



私のことを信じると言ってくれた、


自分のことを信じてもいいと言ってくれた、



吉崎君がいてくれる。





それだけで、嬉しかった。



泣けるほど、嬉しかった。







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