突発性ヴァンパイア・ガール!
*
休み時間になっても、ざわめきは止まるどころか勢いを増していた。
侑也さんの周りには男女問わない人だかりができていた。
どこから来たのか、どこに住んでいるのか、好きな食べ物、趣味は。
そんな諸々の質問一つ一つに、侑也さんは丁寧に優しい笑顔で答えている。
私は侑也さんを取り囲む輪の中に入ることはせずに、ただぼうっと、それを見ていた。
「うらら、いいの?」
いつの間にか隣にいた亜美が私に尋ねた。
「いいのって、何が?」
「侑也の近くに行かなくてもいいのかってことよ。みんなが侑也の近くにいるのに。うらら、こういうお祭り騒ぎみたいなこと、好きでしょ?」
そうだね、と軽く相槌を打った。
確かに、こういう非日常的な楽しい感じのことは好き。わくわくするよ。
「でも、これ以上囲む人数が増えると、侑也さん、きっと大変だよ」
今、このクラスの中で侑也さんを囲っていないのは、私、亜美、そして吉崎君だけだ。
吉崎君はどこかに行ったのか、自席についていないけど。
「うららは本当に優しいわね」
亜美が慈悲に溢れた顔で私の頭を撫でた。
「…よしよし」
「よしよしって、もはや犬扱い!?」
「大丈夫。うららみたいな犬を飼うつもりはないわ。安心して」
「安心してとか、そういう問題じゃないよね!?それよりも、犬扱いのことを否定しないんだね?!泣くよ?もう泣いてもいいかな?!」
ほとんど半泣きの状態の私に、亜美は首を傾げた。
「え?どうしてうららが泣くの?」
「尋ねるの?それ、尋ねるの?!尋ねる前に私の話聞いて?お願いだから、文脈で分かって?察して?!」
ああ、もう嫌だ、このお方。
普段はクールビューティーなしっかり者のくせに、どうしてこんなにボケてくるのさ…!
休み時間になっても、ざわめきは止まるどころか勢いを増していた。
侑也さんの周りには男女問わない人だかりができていた。
どこから来たのか、どこに住んでいるのか、好きな食べ物、趣味は。
そんな諸々の質問一つ一つに、侑也さんは丁寧に優しい笑顔で答えている。
私は侑也さんを取り囲む輪の中に入ることはせずに、ただぼうっと、それを見ていた。
「うらら、いいの?」
いつの間にか隣にいた亜美が私に尋ねた。
「いいのって、何が?」
「侑也の近くに行かなくてもいいのかってことよ。みんなが侑也の近くにいるのに。うらら、こういうお祭り騒ぎみたいなこと、好きでしょ?」
そうだね、と軽く相槌を打った。
確かに、こういう非日常的な楽しい感じのことは好き。わくわくするよ。
「でも、これ以上囲む人数が増えると、侑也さん、きっと大変だよ」
今、このクラスの中で侑也さんを囲っていないのは、私、亜美、そして吉崎君だけだ。
吉崎君はどこかに行ったのか、自席についていないけど。
「うららは本当に優しいわね」
亜美が慈悲に溢れた顔で私の頭を撫でた。
「…よしよし」
「よしよしって、もはや犬扱い!?」
「大丈夫。うららみたいな犬を飼うつもりはないわ。安心して」
「安心してとか、そういう問題じゃないよね!?それよりも、犬扱いのことを否定しないんだね?!泣くよ?もう泣いてもいいかな?!」
ほとんど半泣きの状態の私に、亜美は首を傾げた。
「え?どうしてうららが泣くの?」
「尋ねるの?それ、尋ねるの?!尋ねる前に私の話聞いて?お願いだから、文脈で分かって?察して?!」
ああ、もう嫌だ、このお方。
普段はクールビューティーなしっかり者のくせに、どうしてこんなにボケてくるのさ…!