爽やか王子は悪魔のような人でした



はー、家ってこんなに遠かったっけ?


帰り道、フラフラしている私をみてみんな心配そうに通り過ぎて行く。



「うー、頭痛い…ダルい、寒い。」



そんなことをつぶやきながら歩いていると、


ーーグイッ


「ひゃっ!」


誰かに腕をつかまれた。



「夏川さん、今赤信号。
渡ったら危ないよ?」


「へ…?」


言われて信号を見ると確かに赤信号。
危なかった…


そう思い相手の顔を確認する。



「な、なせくん…?」


七瀬君がいた。



安心できるほど親しいわけではないけど、今までダルかったぶん七瀬君の顔を見たとたん、意識が途切れたーー
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