爽やか王子は悪魔のような人でした



「なんでって……っ、もういいしっ!
七瀬君なんて大っ嫌いだもんっ!

静香とたくさん会うんだからっ!」



「ふーん、勝手にしたら?
俺には関係のないことだし。」



七瀬君の興味なさげな口調に唇を噛みしめる。



好きなのに、好きと言えない。
いや、言わないんだ私は。


言えないんじゃなくてあえて言わない。

今の関係に満足してるんだよ、私は。

毎日、一緒に登校して、お昼食べて、
放課後、帰る。


それで満足……なのかな?
上っ面の関係で実際にはパシリ扱い。

満足してるんだったら辛い思いなんてしないよね。
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