爽やか王子は悪魔のような人でした
「ーー俺は女が大っ嫌いだ。キャーキャーうるせーし外見で寄ってくるから。
好きなやつなんていないし作りたくもない。」
その言葉の裏、つまり断られてるんだよね、私。
「…っ、そっかぁ、しょーがないよね、
女子が嫌いなのはそう簡単に直せないよね。」
あははと笑いながらそう言っておく。
……私は外見じゃないのにな。
そんなこと言ったら信じてくれるだろうか?
「ーーでもおまえは違うだろ。それはわかる。
だからおまえにはチャンスやるよ。
まだ付き合ってるフリしてやるから、
俺をおとせ。
俺がおちたら本物の彼女にしてやる。」
チャンスとか、どんだけ自己チューなのよ、この人。
そこらの女子以上に自己チューだよ。
ーーでもそんな彼を好きになったんだから仕方がない。
「あ、りがとっ!私、頑張るねっ!」
頑張って、七瀬君をおとします。