爽やか王子は悪魔のような人でした



「10月10日という、非常に覚えやすい日にちですっ!」



「ふーん。」



張り切って言うけど興味なさげに返される。



そんなことをしているうちに家についてしまった。



「じゃーな。」



そう言って帰ろうとする七瀬君の腕をつかんで引き止める。



「…どうかした?」



怪訝そうな顔をする七瀬君。


言わなくちゃ、言うなら今だ。



「あ、う、えっと…」



言うんだ、私っ!



「せ、聖夜くん、今日もありがとっ!」



それだけ言って私は家に入った。
いわゆる、言い逃げ。
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