爽やか王子は悪魔のような人でした



『結菜⁉︎ 今どこにいるの⁉︎ 無事⁉︎』



ワンコールで出てくれたお母さん。
そして機械越しでも焦ってるのがわかる。



「お母さん、落ち着いて。

私ね、ダルくて寒くて頭痛くてクラスメイトのまえで倒れちゃったの。

それで今、目を覚ましたの。」



『えっ、大丈夫なのっ?
で、今どこにいるのよ?』



「今はね………」



ここは、一体どこだろ?



「どこかわかんな……あっ…七瀬君。」



後ろから急にケータイを取られたと思っていたらお母さんと会話している七瀬君。


「あ、はい。
お宅の娘さんは僕の部屋で休ませてました。」



あ…ここ七瀬君の部屋なんだ。


そう思いながら部屋を見渡すと黒で統一されていてまさにシンプルって感じの部屋。
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