爽やか王子は悪魔のような人でした
『あんた、それわざとやってない?
強がってないで自分の気持ちに素直になりなって。
…ってなんで結菜ちゃんと同じ言葉をあんたにかけなきゃダメなのよ。』
素直、自分の気持ちに。
いや、ありえないから。俺が女を好きになるなんて…っ!
『あんたさ、強がるのは勝手だけどこれ以上そんなことしてると結菜ちゃん傷つくよ?
それでしまいには本当に他の男のところ行っちゃうわよ。
…人を好きにならないなんて無理なんだから。』
他の男のところに行く?
んなの嫌だよ、その上傷つける?
「サンキュ。やっとわかったよ。じゃーな。」
そう言って電話を切る。
…俺、結菜が好きなんだ。