爽やか王子は悪魔のような人でした
「あのさ、結菜、なんでおまえは方向音痴のくせに逃げ出すんだよ、バカだろ。」
抱きしめても聖夜の毒舌は変わらないらしい。
「うっ…バカじゃ、ないもん。」
泣きそうなのか鼻声の結菜ちゃん。
「そんなん迷うに決まってるだろ。
俺どんだけ探したと思ってるんだよ。
どこ行ってもいねえし、おまえ騙されやすいから変なやつにでもついていったのかと思ったんだからな。
あのさ、連絡くらいしろよ。
俺がどんだけ電話したと思ってんの?」
その言葉に結菜ちゃんは携帯を見る。
「ふぁ、本当だ、七瀬君からいっぱい電話来てる。」