爽やか王子は悪魔のような人でした
「ほらっ!」
と言ってケータイを出す。
「…ないじゃん。」
ミキにつっこまれる。
「あれ、本当…」
昨日まではケータイにつけていた。
カバンをあさってもない。
なのに無いってことは……七瀬君の家…?
多分、いや絶対そうだ。七瀬君の家しか考えられない。
「あっ、思い出したっ!
私、ケータイじゃなくて家にあるミュージックプレイヤーにつけたんだ。」
2人を騙すのは悪いと思う。
でもまさか、七瀬君の家にあるなんて言えないよ…。
「えー、なにそれ、結菜、ウケるわ。」
「結菜って結構うっかりよね…」
「うー、ごめんね…!」
よし、放課後、七瀬君の家に行こう。