爽やか王子は悪魔のような人でした




「結菜ーー」



家に着きお礼を言うと名前を呼ばれる。



「へ?な、に?」



七瀬君と離れたくないーー


そう思ってると七瀬君はフッと笑った。



「そんな顔すんな。永遠の別れじゃないんだし。それにーー」



「それに…?」



「帰したくなくなる。」



「なっ…!」



ニヤリと笑って言う七瀬君は確信犯。

真っ赤な私を見て楽しんでるんだ。



「ば、バカッ!」



私がそう叫ぶと今度は優しい表情をした。



「でもさ、本当だから。帰したくないのは。」
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