爽やか王子は悪魔のような人でした
「……っ…!」
なんか今日の七瀬君は甘い。甘すぎる。
糖分控えめにお願いします、なんて言えないけど。
「な、なせくん…?」
私が戸惑いながらそう言うと七瀬君はプイとそっぽを向いた。
「…おいバカ。そんな反応するな。
こっちが恥ずい。せっかく言葉にしてやったのに。」
言葉にしてやったのにーー
ってことは、
「今の七瀬君の言葉が本当の気持ちなんだね?ってことは私大好きだね。」
私がそう言うと七瀬君は私の頭をポンと叩いた。
「バーカ。おまえが俺大好きなんだろ?
実の双子の姉に嫉妬するくらいだもんな?」
「っさいっ!」
俯きながら答える。
ーーいつもの七瀬君だ。少し安心。