爽やか王子は悪魔のような人でした
「でもっ、七瀬君だって私のこと大好きでしょっ!」
私が思い切って七瀬君の方を見ると、
「ーーんっ⁉︎ 」
唇が塞がれた。
つまり人生2度目のキスです。
人生1度目、ファーストキスのときは一瞬だった。
だけど今回はーー長い。
唇の感触や息遣い、全てが細かくわかるほど長い。
「ふぅ……」
キスが終わったのは私が苦しくなった頃。
それだけ長かったんだよね、人生2度目のキス、セカンドキスは。
「七瀬君、なんで急にーー?」
「……したかったからした。それだけだ。」
七瀬君はそう言った後、少し迷うような表情をしたあと、決意したように口を開いた。
「おまえの言う通りだわ。」