爽やか王子は悪魔のような人でした



歩き続けて15分、やっと七瀬君の家についた。


「ねぇ、見てたよね?」


七瀬君が王子様スマイルで聞いてくる。



「うん、まぁ…」


私がそう言うと七瀬君は舌打ちをした。



「はぁ、もういいわ。
で、おまえさなんであんなところいたんだ?」



「…七瀬君の家に行こうと思いまして。」



明らかにキャラが変わった七瀬君にビビりながらも答える。



「なんでだよ。」



「えっと、昨日この部屋に忘れ物を…って、あった!」



やっぱりストラップは七瀬君の部屋の中にあった。



「これこれ。じゃあね。バイバイッ!」



なるべく早くこの場から去りたい私は帰ろうとする。


でも、


「逃げんなよ。」


七瀬君に腕をつかまれおとなしく座る。
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