爽やか王子は悪魔のような人でした




中に入ると演劇部がたくさんいた。



「きゃー、また聖夜くん来てくれたの?」


「いつ見てもかっこいい。」



まえにも会ったことがあるようで、
女子たちはキャーキャー、

男子たちは久しぶりという表情をしている。



「あ、聖夜来てたの?
結菜ちゃんもいるじゃんっ!」



そう言って静香が来る。



「し、静香ぁ!感動したよっ!
泣いちゃったのっ!」



「え、泣くようなストーリーだった?
でも、ありがとう。嬉しいよ。」



そう言って静香は背を向ける。



ふと周りを見ると女子も男子も、誰も私たちに注目してなくてみんなそれぞれの作業、会話に戻ってた。



へえ、ここのみんなは私を見てヒソヒソ話さないんだ。なんか雰囲気がいい。
< 200 / 304 >

この作品をシェア

pagetop