爽やか王子は悪魔のような人でした
中に入ると演劇部がたくさんいた。
「きゃー、また聖夜くん来てくれたの?」
「いつ見てもかっこいい。」
まえにも会ったことがあるようで、
女子たちはキャーキャー、
男子たちは久しぶりという表情をしている。
「あ、聖夜来てたの?
結菜ちゃんもいるじゃんっ!」
そう言って静香が来る。
「し、静香ぁ!感動したよっ!
泣いちゃったのっ!」
「え、泣くようなストーリーだった?
でも、ありがとう。嬉しいよ。」
そう言って静香は背を向ける。
ふと周りを見ると女子も男子も、誰も私たちに注目してなくてみんなそれぞれの作業、会話に戻ってた。
へえ、ここのみんなは私を見てヒソヒソ話さないんだ。なんか雰囲気がいい。