爽やか王子は悪魔のような人でした




「で、夏川はなんで?」



荒木くんの隣に座ると早速聞かれる。



「あ、うん、委員会のことで少しね。」



「ふーん。」



ここで会話がなくなり、沈黙。


そういえばこの間、荒木くんに抱きしめられたんだよね私。なんでだろ?



チラリと荒木くんを見ると目が合ってしまい慌てて逸らす。



「…なぁ、この間はごめん。
急に抱きしめたり変なこと言ったりして。」



「へ、ううんっ!全然大丈夫だよ。」



ニコリと笑って言うと荒木くんはジッと私の瞳を見つめた。
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