爽やか王子は悪魔のような人でした
距離
あれからしばらくが経った。
あいかわらず七瀬君とは喋ってない。
原因不明のケンカ。ケンカって言えるのかな?
「七瀬君、私放課後、デートしたいな、なーんてダメかな?」
廊下を歩いているとギャル系女子の声がした。
2人は私に気づいてないらしく会話を続ける。
それって、デートってこと?
モテる七瀬君はまえにもよく誘いがあった。それで毎回断ってくれてた。
でもーー
「うん、いいね。行こうか。」
「え、いいの?
七瀬君、彼女がいるじゃん。」
「は?知らねーよ、あんなやつ。」
低い声でそういう七瀬君。
「……っ!」
やっぱ、嫌われてるんだな、私。
告白のことだって誤解なのに。
確かに言わなかった私も悪いけど…
でも、話しくらい聞いてよ……っ!