爽やか王子は悪魔のような人でした
「や、その……これ、どうぞ…っ!」
プリントを押し返して逃げようとすると腕をつかまれる。
「待てよ。お詫びの1つもないわけ?」
やめてよ、急にそんなやめて。まえまで無視してきたくせに。
少し自分勝手すぎない?
そう思ってるのに、そう思ってるはずなのにーー
少し嬉しい自分がいた。
「やめ……」
「やめないよ。絶対。
とりあえずこれ持って。」
プリントを半分持たされる。
「資料室行くぞ。」
資料室?あぁ、七瀬君、また先生に雑用押しつけられたのか。
嬉しい、ドキドキする。
隣を歩くことがこんなに幸せだとは思わなかった。