爽やか王子は悪魔のような人でした



「…ふざけんな。あいつに手出したら殺す。」



いつもよりだいぶ低い声の七瀬君。



「……おわ、怖ぇわ。冗談だっつーの。
物騒なこと言うなよ。」



うん、友人さんの言う通りだよ。
七瀬君、怖すぎる………っ。



でもそれだけ佐原さんが好きなのかな?



「っるせーな。黙れよ。帰るぞ。」



「へいへい。」




そう言って足音が近づいてくる。



…マズイッ!そう思い隠れるけど意味なくて…



「なにやってんの?」




「や、ノート、忘れたけど……」




七瀬君に見つかってしまった。



友人さんは微妙な顔をして、



「夏川ちゃん、聞いちゃってた?今の話。」



と言った。
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