爽やか王子は悪魔のような人でした




「や…その…」



「聞いてたに決まってるだろ。
こんなところに突っ立ってたんだから。」



冷たい声の七瀬君。



「そっかぁ、ならしょうがないね。
で、感想は?七瀬の話聞いた感想。」



ニコニコしながら聞いてくる友人さん。



「や、感想……?」




「うん、感想。なんかないの?
嬉しいっ、とか…」



嬉しいわけないじゃん。
この人はバカなの?



「っ、ないよ、そんなの…

それと、七瀬君、佐原さんと…お幸せにね。」




それだけ言って私は下駄箱に向かった。



涙を見られたくなかった。泣いてると未練タラタラみたいじゃん。



ーーー
ーー


「なー、七瀬、夏川ちゃん、勘違いしてね?」



「知らねーよ、あんなやつ。」



「素直になれよ。

あと、佐原とお幸せにだって、面白いわ。」



「なんで俺があんな性格悪い女と幸せにならなきゃいけねーんだよ。」



「ははっ、おまえも性格悪いだろ。
てか、俺に本性見せてくれるなんて思わなかったな。」



「るっせーな。
おまえが猫被り、猫被り、うるさかったからだろ。」


ーー
ーーー

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