爽やか王子は悪魔のような人でした




そして女の子はそのまま病室を飛び出したっきり、お見舞いには来なかった。



そして手術当日。



女の子は思い直し、男の子の病室へと向かう。


そして伝えた言葉ーー



『好き、大好きーー』



精一杯の気持ち。



その言葉に男の子は弱々しく頷いて手術室へ。



手術は無事、成功。



そのまま男の子は回復に向かって行って、最後の女の子のセリフ。



『素直になれない人へ。

自分の気持ちを言葉にするって難しいし恥ずかしいと思う。


でもね、そうしないと伝わらないの。
人間にはテレパシーとかないから。


だからしっかり自分を表現するの。

好きな人がいる人もずっと見ていられるとは限らない。


突然誰かの元へ行っちゃったり、

嫌われちゃったり、引っ越しちゃったり。


それだけならまだいいかもしれない。



時には失うこともあるのだからーー』
< 262 / 304 >

この作品をシェア

pagetop