爽やか王子は悪魔のような人でした
そして女の子はそのまま病室を飛び出したっきり、お見舞いには来なかった。
そして手術当日。
女の子は思い直し、男の子の病室へと向かう。
そして伝えた言葉ーー
『好き、大好きーー』
精一杯の気持ち。
その言葉に男の子は弱々しく頷いて手術室へ。
手術は無事、成功。
そのまま男の子は回復に向かって行って、最後の女の子のセリフ。
『素直になれない人へ。
自分の気持ちを言葉にするって難しいし恥ずかしいと思う。
でもね、そうしないと伝わらないの。
人間にはテレパシーとかないから。
だからしっかり自分を表現するの。
好きな人がいる人もずっと見ていられるとは限らない。
突然誰かの元へ行っちゃったり、
嫌われちゃったり、引っ越しちゃったり。
それだけならまだいいかもしれない。
時には失うこともあるのだからーー』