爽やか王子は悪魔のような人でした
「夏川さん、行くよ。」
「……はい。」
おとなしく七瀬君の後ろをついていく。
廊下を歩いているとたくさんの女子に話しかけられる七瀬君。
でもみんな後ろにいる私を怪訝に思うらしくそれも七瀬君に聞いている。
今だってそうだ。
「あ、七瀬君だ、どこ行くのぉ?」
七瀬君に声をかけ顔を赤らめる女子。
でも私と目が合うと思いっきり睨まれる。
「七瀬君、その子は誰ぇ?」
「あー、夏川さんね。
ちょっと、先生に呼んできてって言われたんだ。
ごめん、先生待たせてるから行くね?」
ニコリとその女子に笑いかけると顔を赤らめる。
あ、こういうのを女子っていうんだな。
可愛いや。
ま、私は睨まれてるけどね。
そんなことは気にしないで七瀬君の後ろをおとなしくついていこう。