爽やか王子は悪魔のような人でした



「…っ、あのさぁ、そういうこと言わないでくれる?」



少し大きな声で言う七瀬君。


なによ。気持ち悪いって言いたいの?
私が珍しく素直だから?


ムッとして七瀬君を見ると七瀬君はフイと目をそらして、



「急に可愛いこと言われると死ぬ…」



少し赤くなっている顔を隠した。



「なっ…!」



可愛い…可愛いって……



七瀬君のが感染したように私の顔も赤くなるのがわかる。



はたからみれば、顔を真っ赤にさせながら喋ってる私たちは変人に見えるだろう。



私が顔を赤くすると七瀬君はニヤニヤしはじめる。


もちろん顔はもう赤くなかった。
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