爽やか王子は悪魔のような人でした



「そうよ…どうせ私は足手まといっ……
みんなの役に立ちたいって思っても、空回りしちゃって……逆に迷惑かけちゃうしさっ……」




「は?なんで泣くんだよ。
てか、そこまで言ってねーし。」



手を洗いながらそう言う七瀬君。



「だってぇ…私が料理したら……っ…殺人レベルだもんっ…!」



殺人レベル、これは本当。
家族や親戚に料理を食べてもらうと空気が凍るもん。



「でも今からそれを直すんだろ?
俺も対して上手くねえけどな。」



そう言って優しく笑ってくれる七瀬君。


ーードキッ



「うぅ…あり、がと…っ。」



「別に、いいけど。じゃまず、野菜の切り方な。」



そう言って私たちは包丁を持った。


…なんでドキッてしたんだろ?
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