爽やか王子は悪魔のような人でした
「えっと、ここは…どっちだっけ?」
左右にしかいけない道、
迷ったすえに私は右を選んだ。
「よし、右だねっ!」
「左だっつーの。」
グイっと手を引かれる。
「な、七瀬君っ…⁉︎ 」
な、なんで七瀬君が…?
「やっぱ迷うところだったじゃん。
おとなしく送られとけ、バカが。」
「……これもわざとですが、なにか?」
無理矢理誤魔化すと七瀬君に睨まれた。
「うるさい黙れ。
おまえの言うことは信憑性がない。」
「うー…」
「唸るな。うるさい。」
そう言って七瀬君は私の手を握って家まで送ってくれた。