爽やか王子は悪魔のような人でした



ーーガチャ



お母さんと一緒に家を出て家のまえをみるとそこには予想通り七瀬君がいた。



「…七瀬君、なにしてるの?
こんなところで。」



「遅い。普通俺を待たせるとかーー」



そう言って七瀬君は振り向いて一瞬固まる。



そして、すぐに王子スマイルをした。



…あぁ、お母さんがいるからか。
てか徹底的にやりすぎだよ。




「おはよう、結菜。」



ゆ、結菜…⁉︎
初めて名前を呼ばれる。



「お、おはよ、七瀬君。
この固まってる人、私のお母さん。」



私がそう言うと七瀬君はお母さんの方に向いた。



「結菜の母です。あなたは、彼氏さんかしら?」



「お母さんっ、違うのっ!
これはいろいろ事情があって偽のーー」



私がそう言うと七瀬君に後ろから抱きしめられる。
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