爽やか王子は悪魔のような人でした
視聴覚室に着いた。
「おまえ、あいつらの言葉で泣いてたのか?」
「…あいつらってミキと舞だよね?
そうだよ、七瀬君にも聞こえてたんだね。てか私ウザがられてたんだって。
へへっ、全然気づかなかったなぁ。」
そう言って笑ってみせると七瀬君は私の頭の上にポンと手を乗せた。
「無理すんな、バカ。
泣きそうな顔するなら泣け。
…今日なら慰めてやるよ。」
今の私の精神状態はおかしいようだ。
七瀬君のたった一言で涙が出てしまうのだから。
「ふぇ…あ、のね…私や、なの…え、っく…と、もだ…ち、に…ウザい…って…」