爽やか王子は悪魔のような人でした



「わかるよ、その気持ち。」



そう言って頭を撫でる七瀬君。



「わかるわけないよっ…!
いつも周りに人がたくさんいて、
キャーキャー言われてる七瀬君には。」



ダメだ私、七瀬君に八つ当たりしちゃってる。七瀬君はなんにも悪くないのに…



「俺は女が嫌いだ。
俺の顔だけで寄ってきてキャーキャーうるせーの。


王子、王子って言ってるけどさ
あいつらは俺をどうしても王子にしたいだけなの。

もし俺が無口で無愛想になったらあいつらは

クール王子、とか言ってキャーキャーまた言うに決まってる。


彼氏いるくせに、俺の中身知らないくせに告白するやつとか自己チューすぎるっつーの。


それでも、周りには俺の外見しか見てないやつが、

中身を見ようともしない奴がたくさんキャーキャー言っててもそれでいいのか?


俺は嫌だね。ただうるせーだけだし、
時間が無駄だし。」

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