爽やか王子は悪魔のような人でした



帰り、下駄箱まで行くと静香が待ってた。



「結菜ちゃん、私も一緒にいいかな?
聖夜の家寄らなきゃだし。」



今渡せばいいじゃん、教科書。



「別にいいよ。」



そんなに七瀬君が好きなの?



「はぁ、帰るぞ。」



私の中で変な感情が出る。



「静香、家、すぐ帰るなよ?
母さんも会いたがってたし。」



「えー、早く帰りたいんだけど。
暗くなると危ないしさ。」



帰り道、私は仲間はずれのように静香と七瀬君で話してる。



「はぁ?そんな弱くねーだろ。」



「じゃー、送ってよ。家まで。」



「ったく、わかったよ。」



ズキズキ、胸が痛い。
なんで、2人はこんなに仲良いの?

…なんで私は傷ついてるの?
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