現代のシンデレラになる方法
少しだけ、と思ったのになかなか離してやれない。
……どうしよう舌入れたい。
いや今の段階ではまだ早いだろ。
そんなことで葛藤しながら悶々と考えていると、ひなたが呻き出した。
「んー……っ」
口を離すと、息が切れてる。
まさか息止めてたんじゃ……。
「息止めんなって」
「だ、だって、恥ずかしくて」
「じゃ、しながら息できるようになるまで練習する?」
「えっえぇ?」
「冗談だよ、おやすみ」
そう言ってガチガチに固まっていたひなたの体を解放してやった。
そのまま眠りたかったが、絶対にひなたが寝れないだろうと思って。
しかし、今度は離してやれる自信がない。
体を解放してもなお、肩に力が入ったまたままだったのに、それも最初のうちだけで、しばらくすると静かに寝息をたて始めた。
買い物でよっぽど疲れていたのだろうか。
俺はというと、なかなか寝付けず1人モヤモヤしている。
不意にひなたが寝返りをうって、ぐるんとこっちを向いた。
いつもの困り顔じゃない、素の無防備な寝顔だ。
赤ちゃんのような肌をしていて、思わず触りたくなってしまう。
長いまつ毛に、ぷっくらした可愛い小さな唇。
その頬に、唇に、体に好きに触れられたらいいのに。
ふつふつと湧き上がる欲情。
なんとかそのやらしい気持ちを払拭させようとするも、無防備なひなたを前にしてはなかなか難しい。
そっと手を伸ばしては引っ込める。
いやいや、だめだ、ひなたがもし起きたらもう二度と一緒にベッドでは寝てくれないだろう。
でも、少しだけなら、少しだけなら起きないかも。
やましい気持ちが勝って、ひなたの頬にそっと触れてみる。
想像通り、気持ちいい。
調子に乗ってその頬に口づけた。
しかし、さずがにここまでだ。
これ以上は起きてしまう。
ゆっくりひなたを起こさないように、小さな体に腕を回し自分の腕の中へ抱きいれた。
しかし、腕を回した手の先がちょうどお尻の部分で。
しかも今は上のシャツがめくりあがって、下はパンツだけという格好。
これは俺にとっても、ひなたとにとっても危ない状況で。
だけど、ひなたを悲しませたくない、嫌われたくないという想いでなんとか我慢する。
しかし、またこんなことあったら我慢できる自信ないぞ。
……あぁ情けない、俺今年で一体いくつだよ。
まるで高校生や中学生にでも戻った気分だ。